2-5if(橙)





喧しい平腹が、馬鹿で阿保で間抜けな事をしてる。

任務が終わって、終了業務をする前に一眠りした。目を覚まし懐にあった冷たい感覚がなくなっているのに気付き、舌打ち。

これで何度目だ。平腹ころす。
起き上がる。あいつの事だから、水咽のところに行ってるんだろう。なにかと水咽水咽と話を出してひとりはしゃいでる馬鹿。低能馬鹿。

水咽の部屋の前まで来ると、予想は当たり平腹の馬鹿な糞でかい声が扉の向こうから聞こえる。

「テメー!!マジいてええんだよ!!!!」

どうやら何かあったらしく平腹が切れていた。ビイィンと何か固いものが震え響く音を感じ、静かに。扉のドアノブをひねる。開いた。内鍵ぐらいつけとけ。

「・・・」

水咽の額に俺のツルハシがぶっ刺さっている。ツルハシの先が額に埋まり立っている。脳をやられたんだからまず即死だろうな。動かなくなった水咽にまたがるように息を荒くしてたのは平腹。

頬が切り裂かれたところをみるとそれがブチ切れの原因らしい。

しかしその怪我はみるみる内に治っていく。獄卒は昂れば回復力があがり怪我が治りやすくなる。今現在平腹がその状況となっている。ブチ切れたから興奮しているのか。


それとも、目の前の”女”に興奮しているのか。


平腹の手が水咽の服に伸びた。

水咽は仕事を終えていて私服。しかも軽装で緩くて鎖骨が良く見えるワンピース。

ひざまでの長さだが倒れている今、覗こうと思えば覗けた。平腹の手が肩部分をつかみ、下げた。


あ。

こいつ、ヤル気か。

「――おい」

扉を閉めながら、気付いてもいない平腹に声をかければ毛でも逆立つんじゃないかってくらいにビクリ!と身を弾ませた平腹。固い笑みがこちらを向いた。
こいつの心情は二つ。

田噛のツルハシ奪ったのばれた。やべー。
水咽を襲おうとしてたの見られた。やべー。


「たっ、田噛ー・・・!」
「・・・覚悟はできてんだろうな」
「ごごごごめんなさいいいいいいい!!」

逃げようとした平腹の顔面に拳をめり込ませ襟をつかみ水咽からどかす。水咽を踏みつけ突き刺さっているツルハシを抜き取ると鼻血を出しながら頬を抑えてふらっとしている平腹へとツルハシを振り下ろす。ビイイン。先ほどの水咽と同じように額に突き刺さり即死。

このままツルハシをとり戻ろうか。そう何気なく水咽をみた。足が止まった。脳がどうして動作を停止したのか思考する前に反射的に理解してしまった。

きっと引き剥がしたときに肌蹴てしまったんだろう。

胸があらわになっていた。あろうことにブラジャーもずりおりていてその豊かな胸が露出している。女の胸ぐらい見てもどうってことない。そう思っていたし、今だって思っている。なのにだ。その肌蹴ている姿に馬鹿みたいに興奮している自分がいた。

「・・・」

平腹は死んでる。扉はしまってる。水咽も死んでるから”どんなことをしても”声はださない。

損傷はツルハシによって穴をあけられた頭の部分だけだから少ししたら目を覚ますだろう。

決行は早かった。
無言で水咽に覆いかぶさる。

目を閉じて死んでいる水咽の口に無理やり親指をいれる。歯をなぞり、舌をなぞる。死んだばかりで暖かいそこ。半ばに開いた口の端から涎が垂れた。

胸を触る。柔らかい。時に情事に及ぶことがあるが、過去の女共とはまた違う柔らかさだ。確かめるように揉み、乳首を転がす。

さっきまで平腹と死ぬか殺されるかをしていたのだ、興奮していたわけで、乳首は固い。
こいつのあえぐ声が聴けないのは残念に思うが、それでも、いい。

この興奮を鎮めることができれば。

ワンピースをひっくり返す。腿と下着が外気にさらされる。脚を拡げ下着をずらし指をいれる。生ぬるい濡れた感触。このくらいだと痛みが伴うだろうが相手は死んでいる。平気だ。

己のモンを取り出して先をあてる。押し込めば、きついながらもグイグイと奥へとはいっていく。

恋沙汰なんてなく、恋人もいなかったであろうこいつは処女だ。

半ばに肌蹴ていて気付かずに男に犯されてた、だなんてことを想像するとやはり興奮した。こいつは目を覚まして異変に気付くのか。

それとも、気付かずにはじめてを知らぬ間に奪われそれさえ知らぬままなのか。

いっそのこと、中に出しておくか。

妙な独占欲がわいてきた。腰を動かす。死体を犯すのは初めてだな。膣はきつい。死後硬直が始まろうとしている。

その広がらないきつさに息を詰まらせるが、こいつが俺のモノで犯されあえぐ声を想像すると苦じゃあない。

びく。
膣が痙攣した。
早くも生き返ったらしい。

だが、目を覚ますことはない。まだ意識は死の向こう側なのだろう。

反応しだした膣、ぬめりだした。ビクビクと痙攣するそれがひどく気持ちがよくて痙攣しビクッと膣壁が締まる度に「はっ・・・」と息が漏れる。波うちでやってくる快感に、膣内に射精した。

まだ足りない。そう思うが、これ以上やればばれる。中にすべて吐き出したのを確認すると引き抜き戻す。

めくっていたワンピースをただし、ブラジャーも、肌蹴てた部分も隠し戻す。これ以上できねえのは残念だが、またそのうち犯せばいい。

同じように生を吹き返した平腹の体が震えた。

まるで邪魔されたような気分になりツルハシを引き抜くとまた突き刺して突き刺してぶっさして肉片を散らす。

臓物が散らかり、ほぼ肉の塊となった頃、水咽がやっと目を覚ました。

もう少しヤれたな、くそ。


「・・・平然と男いれてんじゃねぇよ」
「いや、田噛も平然と女性の部屋で殺人現場構築しないで」
「うるせえよ犯すぞ」
「平腹より真面目に聞こえるってのが怖い・・・」

そう、ひいと顔を歪ませる水咽。


冗談でなくとっくのとうに犯されてるってことに気付かなかった水咽、ほうきとちりとりを持ってきて肉片の平腹をかき集めていた。

「平腹きても入れんなよ。こいつお前が構うもんだから暇なくても近寄るんだから」
「勝手に入ってくるという現実は・・・」
「鍵でもつけとけ」
「ういっす」

鍵をつけられたら俺も犯せなくなるが、まあ。いい。

知らずに純潔を穢された水咽をみて、こみ上げそうな笑いをこらえ部屋の外にでた。





次はいつ、犯せるかな。