「かわいい可愛い!可愛いよ兆野!!!!」 「きもちわりーんだよ!!」 「ふでぶ!」 目の前で興奮しながら息を荒くしている木舌が気持ち悪くて俺は男の急所めがけて殴った。おー俺もいてえ。いてえな。けど、木舌がわるい。というかこの任務自体が悪い!! 契約書を書き終え提出した俺は無事に特務課獄卒として働くことになった。 なったんだが、この子供の体だ。亡者を捕まえる任務等はほとんどもらわず主に事務関係の仕事をもらうはめに。 情報課にいた、ということもあってまとめるのはまあ、それなりにできた。ただ、頭をフル回転して朝から晩までやらなきゃいけないため、仕事を終えたころには頭を使い過ぎの頭痛に死んでるが。 というか休んでない。休みいつくるんだ。いつ休めるんだ。毎日仕事だひゃっはー!てか?冗談じゃない!! 俺は、のんびり、昼寝したいぞ! そんな毎日の俺だったが、昨日突然呼び出しを喰らい、亡者捕獲任務を受けるはめになった。大人の姿の時でも役に立たなかったのに、子供の体で何をしろっていうんですか!!と訴えたら、書類を渡された。 亡者の情報が書かれた書類。 現在現世逃亡中。子供を、特に女の子供を好む傾向があり、女の子供二名がこの亡者により惨殺。捕獲されたし。 これ、俺といったいどんな関係が。 いや。 わかるぞ。 わかったぞ!くそ、意地でも断ってやる! 『肋角さん!』 『休暇をやろう』 『はい!やります!!』 なんて欲に正直なんだろ俺! そしてそこから、女の子の恰好をするはめになった。長い黒髪のかつらをかぶり左右で結わく。七丈のピンクのズボンと膝までのフリルのついた白いワンピース。胸元には紐のリボンが可愛らしく飾られている。少しロリータはいっているんじゃないか、という姿を見た木舌が興奮した。 そして冒頭に戻る。 こいつがその亡者でいいじゃないか! こいつ突き出そうぜ!? 「つうかお前なんでいんの?ここにいんなよさっさと帰れ!部屋に帰れ!!ハウス!!!」 「俺犬じゃないからね!?あ、けど、兆野とハウスできるんだったら・・・」 ぼそりと最後につぶやいた言葉に鳥肌がブワァとたつ。 「誰かー!!警察ううう!!ここにロリショタ誘拐犯がいるぞおおおお!!!!」 「現世でいう警察はおれらだからね!よし、事情聴取をぐはっ」 ぐふぐふ涎を垂らして近寄ってくる木舌の身体が揺れた。 何事かと見やれば眉間に小粒の穴が開いていて血がそこから垂れてくる。サンレンサー搭載!銃の飛んできた方向を見れば、銃を外套にしまいこむ佐疫の姿。 それと斬島もいた。 「現行犯排除完了」 「さすがだな佐疫」 「佐疫いいいぃ!」 ロリコンからやっと解放された俺は佐疫のもとへ。 話をきけば佐疫と斬島もこの任務に同行するようで、女装している俺の姿をみた二人はそれぞれ、可愛いという笑みと見た目に違和感がないという真面目な回答をいただき、褒められているのかどうかよくわからないそれにとりあえず「ども」とだけ返しておく。 そうして生き返ったがまだ頭に穴が開いている木舌と佐疫、斬島で任務開始することになった。 |