冷蔵庫にあるお菓子を喰おうと、食堂に向かおうとしたら斬島が突如現れて両肩をガシリとつかんだ。え、なに、どうしたの。怖いよ。 「よし訓練をするぞ」 「え?あ、や、え?」 「訓練だいいな」 「え、あ、はい」 お菓子喰いたかったけど、なんかなんだろう切羽詰まってるていうかちょっと焦ってる感じが斬島から漂ってきて断れない雰囲気。そのままズルズルと引きずられて訓練場に。 中に入ると、谷裂となんと田噛がそこにいた。 「めずらし、田噛がいる」 「・・・」 「寝てる・・・」 訓練場で寝る意味とはいったい。 枕を抱いて座って寝てる田噛と、今まで一人で訓練していたのかその強い体躯に汗を滲ませている谷裂がこっちを睨みつけるように見た。 「兆野、貴様筋力が落ちたそうだな・・・」 「だって、そりゃあ、部屋ん中ずっといたんだからしょーがない」 「言い訳だな。部屋の中でも十分に鍛錬できる」 「俺はそこまで筋肉にこだわってねえの!」 斬島が壁にかかっている木刀を持ってきた。 何気に自然に俺に渡してきて俺も受け取っちまった。いや別にそれはいいんだけれども問題はその後で、もう片方の木刀がなんと谷裂に手渡された。 「!??斬島と訓練じゃないの!?」 「悪いが俺は佐疫の手伝いがある。谷裂に鍛えてもらえ」 「え、ちょっと待って待って待って俺死んじゃう」 スタスタと訓練場から斬島が出て行ってしまった。 背後から漂う迫力に身を硬くする。 「安心しろ。俺もお前も獄卒で死んでも生き返る。存分に、こい!」 「ぇぇぇぇぇぇぇえぇえ・・・」 斬島相手からの谷裂相手って一気にレベルを上げられた気がするんですけど。体躯がもう違うし力も違うし性格がより厳しい。しかも筋肉痛で痛いのに! 「こないならこちらから行く!」 「〜〜〜ひぃぃぇえ!?」 木刀が振られ、慌てて避ける。 目の前でありえないほど大きくブォォオン!!と空気を切る音がした。 ぜんっぜん斬島のと威力が違う!!! 斬島こんな音しなかった!こんな粉砕するような音しなかった!!こう、シュッ!っていう布を切るような音だったよ!!! 「あ、当たったら死ぬ!!!!」 「逃げるな!!」 「いやだやだやだ!!!斬島とがいい!!谷裂とやると俺死んじゃう!!」 木刀を抱えなが逃げるために訓練場から出ようとすると寝てたはずの田噛が突然に枕を横から投げつけてきた。しかもとてつもなく力を込めてて枕でそのまま勢いのまま横に吹っ飛んだ。あべし。 「横っ腹がぁぁぁぁ・・・!」 「いいから静かに訓練してろよ」 「そうだ訓練をするんだ!」 「なんでお前らそんなに俺を訓練させたいの!?」 悲痛の叫びに、田噛も谷裂も一瞬何かを考えて黙り、回答を返す。 「「なんとなくだ」」 「何だよそれ!?」 「っ問答無用!」 「ひいいい!!」 わっけわかんねえ! 谷裂とまともにやりあえない俺はともかく逃げ回ることにした。 |