まっくろくろすけがいたんだよ! だから追いかけたんだよ!!だって!まっくろくろすけがいたんだから!! そしたらいつのまにか知らない道走ってて、まっくろくろすけは素早いし、いつの間にか夕暮れでさ! やっと、追い詰めて両手でバッチーンしてやった!!! 「まっまっくろくろすけえーーー!!!」 めいちゃんのこの台詞言いたかったんだー! おっかなびっくりしながら好奇心で捕まえてキャアキャア騒いでみたかったんだよーー! バッチーンしたから潰れてるだろうけど、手のひら煤だらけだろうけどまあだ開かない! 友達のゆっちんにみせる!! 連絡しないと! ていうか両手塞がってできない!しまった!! とりあえず、ゆっちん宅にいこうそうしよう! 「ゆっちんゆっちんゆっちんゆっちんゆっちんゆっちん!」 少し走って気づいた。 知らない道走ってるんだ私!馬鹿だ!!とうとう自分にも馬鹿だ!って罵倒された!やったねたえちゃん!やめろ!!! 「うわー、うわーうわー、どこ??まじどこ????」 高級住宅地ですかね?? なんか洋館がいくつもあるし、優雅な着物や袴きてる人?いるわあ。つうかあれ?仮装?? ええー。誰かに帰り道きかないとー。まともっぽいのいないかな! あ。学ラン?学生かな?? 「すいません!そこのくすんだ草の色の制服を着たお方!!」 「あ?」 あ!振り向いた! けど私はその夕焼けとにた橙色にいしきをとられて足を止めるのを忘れてしまったので、手のひらを会わせた状態の指先が彼の腹を突いてしまった。うわあああやべー! 「うわあああ!!まっまっくろくろすけすいませんでしたー!!!」 「っ・・・俺に謝れよ」 「あっ、そうです!!すいません!!すいません!!!」 咳き込みながらにらんでくる彼のしせんが手のひらに降りたのでここぞとばかりに開いてやる。 「まっくろくろすけ!」 「・・・」 反応してくれない、だと・・・? さつきちゃんなら「やだ!メイの手煤だらけ!!」って返してくれるのに!!! まさか。 「まっくろくろすけご存じですか???」 「手のひらが真っ赤になるまっくろくろすけは知らねーよ」 「煤じゃなかったんです。妥協してください」 「知るか」 確かに手のひら真っ赤だ。血糊をぶっかけたみたいに真っ赤だ!しかもなんかにおう!血生臭い!!うっわ! 「つうかお前生者か。なんでここにいんだよ、めんどくせえな」 「あっ!そうそう、ここどこですかね?見知らぬ街並みなんですが・・・」 「生きてる奴には縁のねえ場所だ。オラ、こっちにこい案内してやる」 「茂みに連れ込んでナニする気ですか?!ナニする気ですか!!!」 「なんもしねーよ、バカ」 頭をはたかれた!! いたい!! 半ば引きずられて茂みにはいる。小枝が足にバキバキあたっていたい!! 茂みを通った先には小さな池があった。澄みきった池でそこが見える。 「またまっくろくろすけなんか追って来たら戻れねーからな」 「え?あっ、へあ?チョットマッテ?そこ池!池!!おっさないで!!」 「馬鹿に言っても無駄か。さっさと帰れ」 「おさっ!おっさな!!い!!!びゃ!!!?」 押すなっていったのに!!! 私は池に突き落とされました。 底がみえるほどだった浅い池は中にはいれば奇妙にも広くて沈んでいく。 「あ」 瞬きひとつで光景が変わった。すんげー。 夕焼けの中、私は近所のごみ捨て場にごみ袋をクッションにして優雅に座ってました。 くっさー [*前] | [次#] |