別に長い沈黙が続くのは気まずいからじゃあない。 互いにこの何を言う訳でも無くだからといって帰ることもしたくないってグダグダしてる雰囲気が好きなだけ。 それでそんな空気の中で進みもしない会話をするのが心地よいだけ。 「…コンビニに新しいお菓子でたんだよ」 「そうなんですか」 「帰りにみにいこうね」 「ええ」 明智は短い返事をかえすだけ。 別に嫌だから短く返すんじゃなくて私には言葉を相手の満足するように装飾しなくていいと、素をさらけ出してもいいと感じているからこそのもの。 飾らない明智を見れるのはあたしだけなのだ。 「つかさ」 「んーなあにー」 「ん」 だから甘えてくる明智もあたしだけのもの。 手を左右に広げて"おいで"って目線で見られる。二人きりの時しかやってこないこれはあたしを優しくさせつくれる。 抱きしめると哀しいことがあった子供のように腕を背に回すと胸元に顔を埋める。 「…つかさ」 「うん」 「つかさ」 「うん」 「……。」 「うん」 このままずっと止まってしまえばいいのに。 『底面下のまどろみ』 (小世界) ------- 明智さんと呆けたりとぐだぐだしたいです。 [*前] | [次#] |