○真実をあとひとかけら(今坂)

今泉くんが僕に聞く事はなんと言うか…答えにくい。


「小野田は俺の事好きか?」

そう言って今泉くんは真剣な目で見つめてきた。

「えっと…」

そりゃ好きだけど今泉くんみたいにさらっと言えないよ。
僕が返答に困っていると更に畳み掛ける様に聞いてきた。

「嫌いか?」

「そんな訳ないよ!す……」

思わず発した言葉の先で息が詰まる。
や、やっぱり言えない!
今泉くんが僕の言葉を促してきた。

「す?」

「す、す……えーと…」

言葉が詰まる。恥ずかしさからあと一言が言えない。
僕の様子を見て、仕方ないなと今泉くんは苦笑しながら次の言葉を言ってくれた。

「'き'だろ?」

「うん…ありがとう」

「どういたしまして」




真実をあとひとかけら。
いつかちゃんと言えたらいいな。





〈終〉


お題元→休憩さま

→ほのぼのラブにしてみました。


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