▼ ○真実をあとひとかけら(今坂)
今泉くんが僕に聞く事はなんと言うか…答えにくい。
「小野田は俺の事好きか?」
そう言って今泉くんは真剣な目で見つめてきた。
「えっと…」
そりゃ好きだけど今泉くんみたいにさらっと言えないよ。
僕が返答に困っていると更に畳み掛ける様に聞いてきた。
「嫌いか?」
「そんな訳ないよ!す……」
思わず発した言葉の先で息が詰まる。
や、やっぱり言えない!
今泉くんが僕の言葉を促してきた。
「す?」
「す、す……えーと…」
言葉が詰まる。恥ずかしさからあと一言が言えない。
僕の様子を見て、仕方ないなと今泉くんは苦笑しながら次の言葉を言ってくれた。
「'き'だろ?」
「うん…ありがとう」
「どういたしまして」
真実をあとひとかけら。
いつかちゃんと言えたらいいな。
〈終〉
お題元→休憩さま
→ほのぼのラブにしてみました。
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