○計り知れない思考回路だ(巻東)

あんまり好きだ好きだと五月蝿いから口を塞いでやった。
口を塞がれた相手である東堂は最初は呆然として次第に顔が赤くなっていくのが分かる。

「な、な……巻ちゃん」

軽くパニックになっているのか、上手く言葉が出てこないのだろう。

「なんだよ。俺の事が好きなんだろ?だったらいいショ」

キスしたって、と付け加えると更に東堂の顔が真っ赤になる。
明らかに戸惑っている。

「いや、そうだが…こう言うのはだな、もっと大切に…」

しどろもどろになりながら話すその姿はいつもの威勢のよさが欠片も感じられない。

「面白い奴ショ。ほら、口開け」

東堂の顎を持ち上げ、そう促した。

「ま、巻ちゃん…ぁ」

緊張で身体が強ばっているのが一目で分かる東堂。
好きだと言ってみたり、恥ずかしがってみたり、よく分からない思考回路だ。
でも、この反応は、面白い。




〈終〉


お題元→Poison×Appleさま

→好き好きと言ってるくせに実はウブな東堂とか可愛いなと思って


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