▼ 恋心(新荒)
「おい!新開!どけよ」
靖友が俺の下で声を荒げている。
まぁ、当たり前の反応だろう。
ここは学校で、しかも外。
地面は芝生になっていて寝るには申し分ない場所。
まさに俺は授業をサボって寝ようとしていた所を靖友に起こされたのだ。
邪魔されたほんの少しの苛立ちから、ちょっとからかってやろうと靖友の腕を掴んで引き寄せた。
それが結果俺の両腕の間に収まる様な形、つまりは押し倒す格好になってしまったのだが。
靖友をからかうつもりが何か変だ。
顔を赤く染めて怒鳴るその表情や、白く細い首から覗く鎖骨。
妙に艶めかしく映る靖友が自分の両手に収まっているのかと思うとおかしな気持ちになる。
「本当、どけよ」
おかしい、こんな気持ちになるはずがないんだけどな。
「ごめん、どきたくない」
「はぁ!?」
意味が分からないとばかりに眉を潜める、そんな姿さえも可愛くみえるなんて。
〈終〉
→私が本当に見た夢の内容を書きました(^∀^;)
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