強い脚が欲しかった
広い胸板が欲しかった
逞しい腕が欲しかった
私は男の子になりたかった、

そりゃ幸せの定義も逃げ出すさ


友達なんて言葉はただの劇薬よ


裏切ってみたくなるね
せめて踏み躙って下さい
後悔はないとか、そんな綺麗事言わせてよ


脳が産み落とす腐敗
掬われた救われた巣食われた


この想いはきっと、私の粗末な墓の土にまで染み込んで染み込んで、浄化なんてされやしない


午前0時00分、赤い爪が夢から失踪
モイライの寵愛を撥ね除けた罰に実る
お前の記憶を埋めるだけでいい


枯れた空がラム酒に溶ける


涙は屑籠に放り込んだ筈なんだけど
解かれたツインテール


果てしない羊水の海を何処までも何処までも游ぎ続けたけれど、私は何時まで経っても女の子のままだった



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