如何様ヴェール
薔薇の棘で殺してごらんよ
20XX年○月×日、指から溢れた呪詛が世界をすくうお話
下層におちた後で
右目に映る腐敗の死に様
骨髄と戯れ
誰かのくれた愛が胃の中で潰れるのをただじっと待っていたのだと
ぱっくり開いた傷口が教えてくれる
いつの日か、夢から滴る喪失を仕舞える時がくるだろうか
嘔吐にモラル
同胞の見付ける死体はいつだって笑っていた
繁殖遊戯
エデンの名残
多分、あの緩く笑んだ顔が好きだった
私を突き落とす優しい手のひらと、強く食い千切られるこの感覚。憎い脳味噌がみせる私だけの楽園で、あれは決して笑ってはくれないのだと気付いてしまった今わの際に、せめてもの復讐として。
網膜に棲む秘め事
かなぐり捨てた劣情の元で
心臓を握る愛のよう
痴女の道程(童貞)
眦に沈む
耳朶に触れるささめごとを亡くしたのであれば
行く先、優しくもない冬が待っている
お前を選ぶ道すがら
この身を晒しても許されるだろうか
錆び付いた偽善の中に
あおい海の落ちたあと
頭蓋の誘惑
依存世界
視界を閉ざし始めた呼吸だけ
殺してくれればそれでいい
紙屑の先にある
英雄と共に消えた
優しいだけなら愛じゃない
凄絶カプリッチオ
明日の頬骨を探して
不変とはなにか
欠けた盲従
冷めた唇に味はなく
あるのは這い蹲る嘘ばかり
傷だらけの温もりを探し、侵食されたあの7日間を過ぎた頃。お前が生まれ変わった僕を見ろと嘆くから
:)同胞→はらから
20121105