負け犬との交配の末に
染色体に頬擦りを

背徳の深海

殴り殺した郷愁の果てで
彼女の膿んだ横隔膜と出会い
切り取られた心臓をあのこに捧げる時がくる
あとはただ、爛れた春の訪れを待つ

涙を凍らす風はあの日愛したコスモに似ている。わたしを呑み込み与えてくれたあの安らぎを忘れなどしない。そんなわたしを見ていたそらは重く低い唸り声をあげた。ああ、そうか。わたしはついに見捨てられたのだ

剥ぎ取られた嫉みに捧ぐ

裸足のメリー

おまえはただ孕むだけ

そのにおいが痛みを穿つ

真白の畦道

最高に腐ったキスを贈る

愛したいだけの間柄

干潮の兆し

甘ったるい慟哭を呼び
淡く嗄れた矯声を嘆く

みすぼらしい笑みをしゃぶる

然らば恍惚

いんちき過ぎた

恋に惨めであればいいよ

拝啓、子宮さま

盲愛を覚えたとして

気持ち悪いよ気持ち悪い、
(それでも嫌いとは限らない)

悪逆カタルシス

オレはお前が怖い

ハイヒールであけた風穴を撫で
ピアスであけた贖罪を翳せば
無様に続く日々だけが残る

酔狂で赦されると思うなよ

諦観ライフ

まるで薄汚れたテディベアが僕を恨んでいるようで

目を閉じて落日

おまえの睫毛の長さを知ったのはあの日滲んだ水のなか。耳鳴りの海を游ぎ、けれどようやく辿り着いた海底には泥砂の楽園が広がるばかり。

追懐インフェルノ

嗚咽の亡骸

漫ろ雨が覆う

幾許もなく、春が終わり、夏が来る。秋を過ぎ、冬を越す。そして虚ろにたゆたう術と共におまえを置いていく。わたしは、そんな愉快な瞬間が訪れるのを待ち望んで止まないのだ


20120429
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