狼の躾


※注意点
・パラレルです。
・クロロとイルミがにょたです。
・シルバ×クロロ♀がメインですが、モブ×クロロ♀・イルミ♀×クロロ♀もあります。
・スカトロ(大小)描写があります。









 クロロの前に現れた二人組の男。
 一人は、長い銀髪の偉丈夫。
 もう一人は老人で、彼も銀髪だった。
 老人は偉丈夫のことを「シルバ」と呼び、偉丈夫は老人を「親父」と呼んでいた。
 顔のパーツに髪の色、それに話し振りから、この二人は「親子」なのだとわかった。
 ――強かった。
 それに、2対1。
 逃がしてもくれなかった。
 そして、クロロは生け捕られた。
 薬品をかがされ、ゆっくりと霞んでゆく視界の先で、老人が、戦闘でボロボロになった服についた埃を払っていた。ため息まじりに、彼は言った。
『やれやれ……。シルバ、後は任せる。わかっとるじゃろうが、むしろ、これからが大仕事じゃぞ。……まったく、こんな割りに合わん仕事を拾ってきおって……』
 そこでクロロの意識は途切れた。





 クロロが目覚めたとき、目の前には、銀髪の偉丈夫が立っていた。
 老人の姿はない。
 クロロは、自分が裸であることに気がついた。
 戦闘で負った傷は、治療を施されていた。痛みも残っていない。
 しかし、革の枷で四肢の自由は奪われていた。枷は天井から降りている鎖に繋がっていて、両手は頭の上、両脚はM字型になるように開いた状態で拘束されている。宙吊りのうえ、両膝を折りたたんで股間を大きく開かされているせいで、女性器も肛門も、目の前の男からまる見えになっている。
「あんた、何者だ」
 クロロは冷静だった。相手は服を着ているのに、こちらだけ裸に剥かれている状態は、よけいに惨めな気分を誘ったが、動揺はしていなかった。
 今、やるべきことは、状況を把握すること。相手が何者かを知ること。クロロはそれを心得ていた。
 ドーム型の室内は、さほど広さはないが、天井が高いためか、狭いとも感じない。部屋の中央に、キングサイズのベッドが置かれている。拘束された位置から見える場所には、窓は見つからなかった。右側、透明なガラス扉の先に浴室が見える。左側に、両開きの扉がある。おそらく、あれが唯一の出入口だ。その右わきの壁には、小さな機械が設置されている。
 ――そして、クロロの問いに、男が答えた。
「調教師」
 この回答を受けて、クロロは唇の端を吊りあげた。
「オレがサーカスから逃げ出したライオンに見えるか?」
「見えんな。お前は人間の女だ」
「そうすると、あんたは人間専門の調教師?」
「大抵は人間が相手だな。猛獣の躾も扱っている。オレの仕事は、お前が依頼人に牙を剥かないよう、ここで徹底的に躾ることだ。お前が従順なペットになったと判断できれば、依頼人へ引き渡す」
「ペット……」
「性奴隷、肉奴隷……いろいろと言い換えられるが」
「要は慰みものだな」
「そうだ」
「……つまり、あんたの仕事は、その好色野郎にオレが素直に股を開くように洗脳することか」
 察してはいたが、あえて訊いた。
 拘束された自分の傍らに、キャスター付きの台がある。その上には、さまざまな器具が置かれていた。どれも実際に見るのは初めてだが、これらは、おそらく……。
「洗脳とは違うな。それだけなら、薬漬けにしたり、“脳”を直接弄った方が効率的だ」
「……言われてみれば、そうかもしれない。じゃあ、あんたの言う“躾”って?」
「お前の肉体の感度を上げて、性技を仕込み、男なしでは生きられない女にする」
「……」
 冗談を言っている風には見えない。
 本気だ。この男は、それを実行しようとしている。
「依頼人は、オレが誰だか知っていて、あんた達に依頼したのか?」
「ああ」
 クロロ=ルシルフルは、A級首の盗賊集団“幻影旅団”のリーダーである。
 こんな稼業をしていれば、当然、あちこちで怨みを買っている。
 しかし、殺し屋や賞金稼ぎを仕向けられるのなら、まだわかる話なのだが……。
 依頼人は、わざわざ調教師を雇い、盗賊の女リーダーを色狂いの“ペット”として飼いたがっているという。こちらの正体を知っている上、こんな手練連中を雇えるだけの資金と権力のある人間が、男としての欲望を満たすためだけに動いているのだ。
 そういう人間もいるのだと、事実は事実として受け入れる。
 だが、流石に、反吐が出る。
 顔も知らぬ依頼人には嫌悪感をおぼえたが、目の前の男には感じない。
(……やっぱり効かなかったんだ)
 あのとき、クジラも動けなくするほどの強力な薬を塗ったナイフで、腕を傷つけた筈なのに。
 筋骨逞しい体躯、戦闘での洗練された身のこなし、冷静・冷徹な判断力、そして毒への耐性――調教師などではなく、たとえば“殺し屋”なら、闇社会でもっと有名になっていただろう。なにより、しっくりくる。
「調教師さん。今の客から、オレに乗り換える気はないか? その方が、あんたが手にする金も多いし……第一、これ以上よけいな手間をかけないで済む」
「一度引き受けた依頼はやり遂げる。お前の取引きには応えられん」
「そう……それは残念だな」
 やっぱりダメか――クロロは調教師との交渉をあっさり諦めた。落胆はなかった。
 独特の信念や美学を持った強者は、それを曲げたりしないのを知っているからだ。
 この調教師は、金では買えない。
 脅しも効かないだろう。あの老人を含め、凄腕の仲間が他に何人いるのか判らない。奇襲で見せた実行力と胆力、それに老獪さ――厄介な相手だ。
 判っているのはそれだけ。
 情報が、あまりにも足りない。
(それにしても)
 やはりというか、話せば話すだけ、違和感を感じる。
 このストイックな男と、性的なイメージが、クロロの中で結び付かないのだ。
『職業間違えてるんじゃないか?』
 と、皮肉を言いかけたとき……。
「ところで、お前は処女か?」
「……」
 言葉の意味を咀嚼するのに、数秒。
「……処女だったら、見逃してくれる?」
「いや、調教の方法が変わるだけだ」
 調教師が近づいてくる。
 彫りの深い、端正な顔立ちだ。若い頃はさぞや美青年だったんだろう。切れ長の双眸は、狼のように鋭くて、冷たい。
 彼が屈んだ。
 彼は、目の前の陰唇を指で左右に開いて、中を覗いた。
 瑞々しい色合いの秘粘膜が外気にさらされる。反射的に、キュウッと、奥の肛門が窄まった。
 女として一番大切な場所を無遠慮に覗きこまれているのだ――普通の女ならば、羞恥に顔を歪めて抗議する場面だろうが、クロロはそうはしなかった。その行為の無意味さを知っていたから。
「……!」
 調教師が口を押しつけてきた。
 粘膜を撫でるヌルリと湿った感触に、臀部が小さく跳ねた。
 舌先が、縦筋をちろちろとくすぐる。やがて、舌腹全体を使ってねっとりと舐め上げられた。
「……ン」
 肉厚な舌先が、縦筋の窪みへ挿し込まれた。中でぐにゅぐにゅと動いている。
 肉襞が収縮し、内側から粘液が流れ出る。
(気持ちいい……)
 クンニリングスによる快感を自覚する。
 舌のあたたかくぬるぬるした感触に縦筋がふやけ、綻ぶ。下腹部の奥が疼いてくる。
 ほとんど初対面の男に股間を舐められているわけだが、不快感も嫌悪感もなかった。
 秘裂がしっとりと濡れてきたところで、シルバは口を離して、指を一本、窪みへと挿れた。
 太くて逞しい指だ。その指で、秘肉をまさぐられる。
 ――ああ、確かめられているんだと、クロロは悟った。
「……処女か。依頼人がよろこぶ」
 案の定、調教師がそう呟いた。
 指が引き抜かれた。
「今日はじいさんと二人がかりじゃないんだ」
「生娘が強がるな。処女ならなおさら、躾はオレ一人で十分だ。……それとも、親父に躾てもらいたかったのか?」
「あのじいさんの方が、あんたよりも優しそうだし、上手そうだ」
「優しくして欲しいのか。お前の態度次第だな」





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