ONE PIECE [LC] | ナノ


小話 #03



背筋が凍る体験ってのは色々して来たが、あの日ばかりはチビるかと思った。
いや、おれたちも悪いとは思うぜ?こそこそとネズミみてェな真似しちまった事はさァ。けど人には色々事情があって直接...ってのはどうよって話になったわけ。だから...悪いとは思ったが、あのラブ双子ちゃんたちを利用しようとした。

「見損なったぞ、白ひげ海賊団!!」

バリバリバリッと走った戦慄。
セトの声だってすぐに気付いた。そして、おれたちがやっちまった事がバレたんだって速攻気付いた。そりゃもう光の速さくらいすぐにな。

「何も知らない子供に聞くことが大海賊のクルーがすることか!?コソコソつまんねえ真似しやがって...っ」

そう、つまんねェ真似だ。おれたちだって分かっちゃいたさ。
でもな、すっげェ考えたんだ。どうにかお前を傷つけずに済む方法。直接聞いてものらりくらりすんじゃねェか。てか、普通に聞き辛かったってのもあるけどよォ。ミステリアスでアンニュイな少年相手なんて今まで居なかったしな。どうしていいか、どうすべきか...おれらだって考えた結果だった。

さて、どうしよう。どうやって事態を収拾させるべきか。おれは悩んだね。
エースは完全に気圧されてるのが見えてたし、他の隊長連中も怒り半分、呆れ半分、戸惑い半分って感じだったからなァ。ここはいっちょサッチ様が!って思ってたところへマルコだよ。

「言ってくれるじゃねェかい」

怒り二割増しのマルコとか久しぶりに見た。
鬼も悪魔も海軍も真っ青になるだろ!ってぐらいの顔してんだぞ。頭はパイナップルだけどよ。普通ビビらねェか?おれだったら死んでる間違いなく。

正直、あの時ばかりは生きてる気がしなかった。



.........何が怖いって?何が背筋が凍る体験だって?

「何であの時平然としてたんだよお前!!」
「......」
「その据わった根性は何処で養ったんだ?どうやったらそんなクールな大人になれるんだ?」
「......」
「おいおい見下してんじゃねェよ!おれはカッコいい男になりてェんだぞ!!」
「......無理だ。諦めろ」



あの日を振り返って



本編「自分の居る場所はいつの間にか」
内心ハラハラしてビビりまくっていたサッチで小話。


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