三人の背中が小さくなった頃、エースは地に膝を付けて手を合わせた。
沢山の村人が眠る墓、そこにはセトの両親もかつて共に生きようとした仲間たちも居る。
.........ジジイが世話になったんだってな。
どんな話を聞かされたか分からねェが、アレの孫で海軍にもならずに海賊になったエースだ。
まァ、唐突なんだけどよ、セトはおれが貰ってこうと思う。勿論、セトが大事にしてるあの子らも含めて。
心配になるだろうけど...今、あいつが居る船には新しい"仲間"が居る。全力でセトを守ると決めた"家族"が居る。
おれも、守る。だから任せて欲しい。
顔を上げ、彼らを見れば手向けられた花が揺れた。
エースはいつものように笑って「また来る」とだけ呟いて彼らの元へと走り出した。
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