嫉妬編







『.....なるほどー......さすが新一くん......。』


今日もまたおさげに眼鏡のなまえは本を読みながら独り言を呟く。そんな姿を頬杖つきながら見守る流川。大人しく読んでいると思いきやよく見ればコロコロ変わる表情。その目は絶対的に本から動かず自分がどれほど見つめたって目は合わない。要するになまえは今本の中の「新一くん」と呼ばれた「男」に夢中なわけだ。


本とはいえ「新一」は「男」だ。


「......なまえ、」

『あー待って。いま、いいところ........。』


だんだんと語尾が小さくなるなまえ。真剣に本を読んでいる証拠であった。流川の軽い舌打ちもこの空気に消えてしまいなまえからはなんの反応もない。











なまえは「新一くん」とかいう男に夢中だ。


「なぁ、これそんなおもしれーの?」


前気になった聞いたことがあった。そん時のなまえは目ん玉かっぴらいて「そりゃあね!」なんて楽しそうに言ってくるもんだからこりゃ相当だなとは思ったけど。


主人公はコナンとかいうガキでソイツが新一くんだってことはわかってる。なんとなくストーリーを聞いて「へぇ」なんて相槌打ってたけど要するにその新一くんてのが相当頭のいい探偵で事件を解決していくらしいじゃねーか。高校生の分際で。


んなことよりバスケやってる俺の方がよっぽどミリョクあるんじゃねーの、なんて思ってるだけで言い出すことはできねー。だってなんかカッコ悪い。


目の前にいないヤツにヤキモチ妬くなんてさすがになまえに笑われたりしそうじゃねーか。









『ぬぁっ.....ほんとに頭いいなぁ......新一くん......』


むっ。またシンイチ......。

以前何となく聞いたことがあるけれどなまえはやっぱりその新一のような頭の切れる男がタイプだとかなんとか言っていたような気がする。それはなんだか俺じゃねーって言われてるような気がしてムカツクんだけど.....こんなこともやっぱりカッコ悪いから言えねー。


『新一くん.....尊敬......。』


.....あぁマジで......そろそろ......。


『.......新一くん......私もそう思ったよ.......!』


.......チッ。


「他の男の名前呼ぶな。」

『へっ......ちょっ、流川くっ........!』


持っていた本を取り上げて乱暴に口付ければ慣れないなまえはキスの合間に甘い呼吸を漏らしてくる。それがまた俺にとっては最高の声色で一生このままコイツに触れていたいと思うくらいに興奮させてくる。


コイツの口から出る男の名前は俺だけでいい。


目に映るのも笑いかけるのも全部が俺だけでいい。俺がいれば十分だ。


『......ぷはっ.......流川くん.......、』

「シンイチシンイチってうるせー」

『だって.....本返してよ.......』

「嫌だ」


あぁーもうー!なんて怒ったって可愛いだけだし返してやんねーよ。


『せっかくいいところだったのに......』

「それは残念でしたネ」

『ひどいよー!』

「他の男に夢中だからだろ」


もう嫉妬丸出しの俺になまえは「新一くんは別だよ」なんて意味わからねー言い訳をしてくる。何が別だ。俺以外に必要ある男なんかいねーだろ。


「だいたいそのシンイチってのは幼馴染のカノジョいんだろーが。」


俺のそんな言葉になまえは目をまん丸くして固まった。


『.....もしや、蘭ちゃんのこと?』

「そんな名前だった気がする」

『...流川くんそんな...覚えてくれたんだね...!』

「.......そこじゃねーだろ」


何故だか俺が興味を示したことに感動しているなまえ。お前が気にするとこはそこじゃねーんだわ。


「だからなまえはシンイチばっか見てねーで俺のこと見てりゃいーだろ」


しっかりと言い切ればなまえは「それとこれとは別なの」なんてやっぱり俺以外に別を作ろうとしてくる。あぁムカツク以外の何ものでもねー....


「...二次元より三次元だろうが」


とうとう俺の言葉に呆れたのかクスクス笑い始めたなまえ。あぁもう、笑うでもなんでもいーからとりあえずお前は俺だけ見てろってんだ。


「シンイチには幼馴染。なまえには俺。本は没収。」

『.....わかりましたよ、流川くん。』

「ったく...よそ見した罰」


荒っぽくキスすればやっぱり甘い声が漏れるもんだからいい加減我慢の限界だ..........。


『これ、罰なの.....?』

「あぁ。もっと恥ずかしいことしてやる。」

『えっ?』

「俺ん家、来るよな」


手を引いて教室を出た。なまえの読んでた本は机の中に閉まって置いていく。もう邪魔させねーよ、シンイチの野郎。












いいからお前は俺だけ見てろよ


(ま、待って流川くん...タイム!)
(いいや、待ちません)
(恥ずかしくてしにそうです.....)







莉夜様 (*^_^*)

この度はリクエストありがとうございました!流川くんと頭脳派彼女ちゃんの続き、描きたいと思っていたので今回リクエストで続編をとのことで本当に嬉しかったです。莉夜さんの考える話は本当にとっても面白くて私では到底思いつかないストーリーがすごくいいなぁと思っています(*^_^*)頭脳派ヒロインちゃん本当に大好きです。頭良すぎて最高です。そしてコナンくんに嫉妬丸出しの流川くんも最高すぎる(T_T)なんだこの二人...永遠に一緒にいてほしい(T_T)また続き描けたらいいな!(T_T)いつも本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

トロピカルランドはコナンの中での全ての始まりの場所だったのでいいなぁと思い採用しました...すみません(T_T)





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