A

*多少R18要素あり。





「いや、でも悪いし...」
『嫌だ来てくれるまで待ってる』
「えぇっ?!」


洋平は朝から頬杖をついて悩んでいた。
永遠と出ない答えにうーん?と首を傾げながらどうするべきかぼやぼや考える。そんな姿を見てついついからかいたくなるのが3バカトリオだ。


「んだよ〜洋平恋の悩みかぁ?」
「まぁそんな感じだ」
「なんだよ水クセェな、言ってみろ」


別に恋愛経験が豊富な奴らじゃないがそんな自分もまだまだだから1人で悩むより4人の方が...と常に何かあるたびに洋平は3人に相談してきた。サラッと洋平の口から出た言葉に3バカトリオは声を揃えた。


「「「 泊まりに誘われた?! 」」」
「両親が旅行でいないからって」


大楠は自分の心から湧き出てくる何かを感じて震えた。つまりこれはそういうこと...だよな?!洋平があの美人で年上の彼女と。あの美人と...。もしナンパを助けていたのが自分であったら...大楠はそう思わずにいられなかった。なぜだ。なぜ洋平なんだ。なぜ俺じゃないんだ...!


「でもよご両親にも気に入られてるんだろ」
「そうじゃねーよ俺の気持ちの問題だ」


日頃からよくいろいろなことを話してくれる洋平から彼女の両親に会ったことは聞いていた。初対面の時はさすがにその容姿に驚かれたようだが洋平の中身、そしてなぜか喧嘩が強いところに心を打たれたらしいなまえの両親はすっかり洋平を認めていた。この間は洋平くんになら任せられるわとかなんとか言われたらしい。何をだ?将来をか?大楠は悲しくなった。


もはや問題はそこではない。
ご両親がどうこうではなく洋平自身の問題であった。付き合ってから大事に大事になまえを思いやりそこまで進んだことをしてこなかった。大切に思い過ぎて出来なかったのだ。そんな我慢があるのにも関わらず、いきなり2人きり、ましてや泊まる、親はいないとなれば自分がどう豹変するか怖いのである。


「あのなまえだぞ?ちゃんとわかってんのか...」
「大丈夫だろ、ちゃんと準備してけよ」


もしただの楽しいお泊りを想像されてるとしたら...洋平は悩んだが結局承諾した。もし仮になまえが全てを覚悟した上で誘ってくれていたのなら、断るのは違うと思ったからだ。


**


「お邪魔します...」


何度か上がったことはあるが今日の緊張は別物だった。部屋からはいい匂いが漂っておりちょうど昼食を準備しているようである。


『ごめんね少し待ってて』
「いいよ、これ手ぶらで来れねーから」
『ありがとう...!洋平くん本当にしっかりしてるなぁ』


キラキラした笑顔でお土産を受け取るなまえに早速洋平は手を出したくなる衝動に駆られる。これくらいなら許されるだろう...そっと彼女に近付いた。


『わっ!どうしたの?』
「...なんか新婚さんみてーだな」
『そう?洋平くん私のこともらってくれる?』


エプロン姿のなまえに後ろから抱きつけば笑いながらそんな返答。洋平は驚いた。なんだよそれ、俺で遊んでんのかよ...?


「...逆に俺でいいの」
『当たり前!むしろ洋平くんじゃないと結婚しない』
「......」
『私振られたら一生独身だからね』


あぁ悲しい...そんな楽しそうななまえにいよいよ洋平は決心した。俺の嫁になりたいんだな?てことはだぞ?

俺の子供を産む気もあるんだよな?

抱きついたままそっと服の中に手を入れた。


「泊まりに誘うってわかってんのか」
『...』
「嫌だったら今言って、今ならまだ...ーー」
『わかってて誘ったの、洋平くんが好きだから』


真剣な口調のその言葉に洋平の中の何かが壊れた。美味しそうに並べられている昼食よりももっと美味しいご馳走を知っている。リビングのソファーに優しく押し倒すと艶っぽい目で洋平を見つめるなまえがいた。いいんだな、俺、もう止まらねーよ?


「好きだなまえ」
『洋平くん、私も...大好き』


**


「...アレ?」


目が覚めた瞬間なまえの匂いが鼻をかすめ目眩がしそうだった。クラクラしてきそうな体を起こすと台所の方から足音が聞こえる。遅くなってしまったが食事を用意しているその後ろ姿に胸がキュッとなった。


(そっか抱いたんだ...それもメチャクチャに)


頭の中に残るなまえの高く甘い声に洋平はいよいよのぼせそうだった。冷静に振り返るとヤバイ。とにかくヤバイ。一言で言うと...それはもう”最高”であった。


『目、覚めた?』
「...悪い、寝てた」
『大丈夫だよバイトで疲れてるでしょう』


どことなく視線が上に行くなまえがあまりに可愛くて洋平はもうどうにかなってしまいそうだった。なんだよ散々抱かれといてそんな恥ずかしがるなよ...俺だって恥ずかしいんだよバカ。


「...あぁ〜可愛い俺だけのなまえ」
『えへへ、私の洋平くん』


たまらないその笑顔に洋平は決意した。
よし、夜は第2ラウンドだ。寝かせない、覚悟しておけよ...!















愛してる以上の言葉を教えてくれ

(あぁ〜さっさと結婚してぇ!)








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