「おにーさーん」
「ん、なーに?」
「髪の毛触らしてくださいー」
「……は?」
「失礼しますー」
「…ちょ…、」
「おぉーやっぱりさらっさらですー。シャンプーCMモデルも顔負け」
「…………」
「まさに世界が嫉妬する髪ー」
「どっかで聞いたなそれ」
「シャンプーとか、何使ってるんですかー?」
「ん? あー…そうだな、よく変えたりしてっけど、今は資○堂シャンプーツバ○」
「王子がまさかのジャッポーネ…こんなにさらさらになるなら、ミーもお兄さんと同じシャンプー使おうかなー」
「…っ…い、いんじゃね?正統王子おすすめだし…(同じシャンプーとか、何か恋人同士みてぇ…)」
「…………」
「いいなーさらさらでー」
「お…おー…」
「…………」
「ずっと触ってても飽きな…」
「…っ、だーッ!! さっきからベタベタしてんじゃねぇよお前ら!」
「…あれ、ベルセンパイ…」
「は? 何その、今いるの気づきましたみたいな反応。言っとくけど最初からずっといたからな?恋人の前で他の男とイチャつくとか本当何考えてんの?今夜はお仕置きだなフラン」
「いやいやちょっと待って下さい。誰がいつイチャついてたんですか、お兄さんの髪触らせてもらってただけでしょーが」
「だからそれがベタベタしてるって言ってんだよ!何だよお前オレの髪の毛ふわふわで可愛いとかほざいてたくせに、いつからさらさらストレート派に寝返ってんだよ。ふざけんな」
「いやどっちにしろ、ふわふわ派に入った覚えもないんですけど」
「ジル、てめーふざけんなよ。ちょっと毛がさらさらしてるからって、フランとベタベタしやがって。調子のんなよコラ」
「いや意味わかんねーんだけど…つーかだったら、わざわざ髪の毛セットしなきゃいーじゃん」
「それこそ見分けつかなくなりますー」
「おいフラン、この際はっきりしろよ。ふわふわ派なのかさらさら派なのか」
「なんか色々とおかしいだろ」
「…ベルセンパイのふわふわな髪の毛はいつでも触れるのでー、今日はこっちかなーなんてー」
「……!」
「…マジで?」
「………っちくしょー!だったらストレートに戻してやるー!!」
「はっ!?待って下さい!それだけは見たくないです!!」
「え…それどういう意味…」
**
ちなみに世界が嫉妬する髪はアジエ○ス。