「ベルセンパイ、酷いんです」
「うん」
「ミー…見ちゃったんです。この間」
「何を?」
「…センパイが、使用人の女の人を抱き締めてる所……本当ですよ、ミー嘘なんかついてませんよ」
「うん」
「愛してるとか、歯が浮くような言葉ばかり吐く癖に…平気で浮気する人なんです。きっと女の人みんなに、そんな事言ってるんですよ」
「うん」
「やっぱり、男のミーなんかよりベルセンパイは女の人がいいに決まってるんです、ミーの事なんて…遊びだったんです」
「…そっか」
「何であんな軽い男、好きになっちゃったのか分かんないです…どうせ飽きたら、捨てられるのに」
「…うん」
「そんな事、分かってるのに…それでも好きなんですよねー…」
「………うん」
「任務の時、喧嘩しててもいつもミーの後ろ守ってくれてたり…まだ戦闘に慣れてなくてミーが怪我した時、それを知ったセンパイが凄く怒って……驚いたけど、背負ってくれた時の横顔が凄く焦ってて、本気で心配してくれたんだと思ったんです」
「………」
「好きだの愛してるだの、軽く言ったりする人だけど…本当に愛されてるのかもしれないって、思っちゃうときがあるんですよねー…」
「…………」
「そんなセンパイを知ってるから、やっぱり本当に嫌いになんてなれないんです。ふらふらしてて安心感はないけど、結局はミーの所に帰ってきてくれるって信じてるんで」
「…………」
「…そうですよね。センパイの事信じなきゃ意味ないですよね。あー、なんだか泣きそうになってたのが馬鹿らしく思えてきました。聞いてくれてありがとうございますー!」
「……うん、どういたしまして。今度はオレ様の方が泣きそうなんだけど」
**
相談と見せかけてただの惚気でしたっていう