02
―――そして、夜
カシュッ
『♪』
ネオンの光が眩しい夜の街を、朱音は"金色"となって飛んでいた
今回は特別な約束を抱えているわけではなく、ただの散策だ
『しっかし小鳥丸のステッカーだらけじゃん…』
ステッカーの数が咢の努力の結晶で、それだけ彼が真剣だということ――
今回、咢は本気で王璽を取り戻そうとしている
ザワザワザワ…
『ん…?』
何やら前方で人が集まっており、かなりざわついている
事故でもあったのかと少し近寄ってみれば、彼らの会話が耳にはいってくる
「おい見たかアレ!」
「見た見た!バッチリ見ちゃった!!」
「俺初めて見たし!マジスゲー!!」
「デコチャリ、って言うんだっけ?アレまだあったんだね」
……"デコチャリ"…?
既に絶滅したと思われるその言葉を聞いて即座に思い浮かんだのは、彼ら4人
『……行ってみるか…』
確かもう少し走ればベヒーモスの縄張りが広がっていたはず
彼らの拠点もここから決して遠くはなかったはずだ
『よし、っと!』
そう決めたら即行動
軽いホイール音と共に、朱音は彼らがいるであろう場所へと向かった
。
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