繋いだ手 | ナノ




01 出逢い





目覚めたら知らない場所にいた、という経験なんてなかなかないと思う

思うが…現実私は今現在進行形で体験してるのだから何も言えない




【第一話】
出逢い





『………えっと、』


目を開けて一番最初に見たのは、見覚えのない天井


『(私、こんなとこにいたっけ?)』


記憶を辿ろうとして……ある重大なことに気づいた


『……え…?』


真っ白

私の頭の中には何にもなかった

どこにいたのか、何故ここで寝てるのか…全く分からない

唯一知っているのは"月城亜柚"という名前だけ…


『う、うそでしょ……』


基本的な…所謂"常識"と呼ばれる事柄はちゃんと覚えている

ここが流魂街だと言うこともちゃんと分かっていたから

だが…ここが何区なのかは分からない

何とも都合のよい記憶喪失をしたものだ


『………っ』


寝ていた布団から起き上がろうとしたら酷い立ちくらみに襲われて頭を押さえる

それは………空腹からおこる目眩だと感覚で分かった

しばらくそのままの体勢で耐えていると、


──ガラ


襖が開けられて、誰かが入ってきた気配がした



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