最近見つけた穴場の喫茶店はクリーム色の壁とオレンジの電球が印象的で、なんだかあの人って色にしたらこんなような感じかなって柄にもなく考えた。

カランカラン、

「いらっしゃいませー」
「あ、財前やん!いらっしゃい!」
「、、どもっす」

柄にもなく考えたら中に本物がいた。話を聞けば、どうやら叔父の経営してる店らしく、暇な日はよく手伝っているらしかった。

初めて来たその日、ここは俺の行きつけになった。いや、なると確信した。

ふとみると金髪は鼻歌交じりに厨房にいた。俺はヘッドホンを付けたままバレないように金髪を盗みみる。うんうん、今日も阿呆な顔してる。

「よし!行ってきぃ謙也!」
「わ、わ、分かっとるわ!」

何かするのだろうか、ヘッドホンのおかげで音は何も聞き取れない。あ、こっち来た

「ざっ、ざ、財前!誕生日、7月20日っ、お、おめでとうっ!」
「え、」
「あれ今日やったよな??日にち間違うてる??」
「いや、合うてますけど…これ忍足先輩が?」

こくこくと頷く先輩が持っているのは苺の乗った白くてまあるいケーキだった。真ん中のチョコの板には「財前光生まれてきてくれてありがとう」とよれた字が並んでいてる。すぐに下を向いた俺に先輩は困惑してるような声で話す。

「ざ、財前?こんなん嫌やった?」
「…全然嫌やないです」
「ほんまか!良かったわー!あんなあんな、俺がスポンジから作ったんやけど「先輩!」
「えっ、何?」
「俺めっちゃ嬉しいっすわ。ありがとう」
「おん!俺も嬉しいで!てか財前、そろそろ顔上げへん?」
「ああ、首折れましたわ」
「いやいやさっきまでフツーやったよな?!」



秘密兵器はまだ内緒
(顔が緩んで上げられへんねん察しろ阿呆!)


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