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『局長をやった銀髪の侍を斬る。』
その許可を土方から得た隊士たちは、朝から銀髪の侍探しに没頭していた。
だが、何も成果を得られ体内上に、結果的に近藤さんが負けたという悪評だけが広まっていった。そのことに、怒った土方はあることを決め、沖田と凛を連れて街に出た。
「なんですって?斬る?例の銀髪の侍を?」
凛は声を上げながら驚いた。
「ああ。これ以上デケェことになる前に俺が始末する。」
土方は、隊士たちが気づかずに近藤さんの不名誉を書いた張り紙を処理しながら肯定した。
「土方さんは二言目には斬るで困りまさァ。辛い暗殺で大事を成した人はいませんぜ。」
「暗殺じゃねぇ。堂々と斬ってくる。」
その沖田と土方のやりとりに、横で聞いていた凛は苦笑しながら
「…そうですか。あ!じゃあ私向こうの方を探してきますね。手分けして探した方が早いですし、ついでにこの張り紙の処理も。」
「お、おいっ!」
と言い終わるやいなや、土方の制止の声も聞こえないふりをして、走り去って行った。
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