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「えー勝敗は両陣営代表3人による勝負で決まります。審判も公平を期して両陣営から新八くんと俺 山崎が務めさせてもらいます。買った方はここで花見をする権利+お妙さん+凛さんを得るわけです」
山崎がルール説明をしていく中で、凛はどうしてこんなことにと思いながら遠い目をした。
1戦目 近藤VSお妙
「姉上 無理しないでください。僕代わりますよ。」
新八は心配して止めようとした。
「いえ、私が行かないと意味がないの…。あの人どんなに潰しても立ち上がってくるの。もう私も疲れちゃった。全て終わらせてくるわ。」
そう言ったお妙の眼は絶対零度の瞳だった。
「ねぇ、新八くん。この勝負無事に終わるかしら…」
「………」
お妙の表情に心配した凛が新八に確認をするが、彼は答えることができなかった。なぜなら姉が完全に殺る気だと気づいてしまっていたからだ。
案の定、お妙はルールをガン無視して、ヘルメットでガードした近藤の頭にかなりの勢いでピコピコハンマーを打ち付けた。その力はほんとにそれはピコピコハンマーかと確認を取りたいほどの威力だった。
それに怒った隊士たちがお妙に罵声を浴びせたが。
「あ〜〜〜〜〜やんのかコラ」
というお妙の血走った目と圧に簡単に屈し、全員で土下座した。
凛は土方や沖田までもが土下座している姿を見て、心の中でお妙を賞賛した。
近藤が意識不明となり1戦目は無効試合となった。
凛は近藤の治療を終えると、その間に第2試合と第3試合がすでに始まっていた。
第2試合 沖田VS神楽
ハイスペックな2人の勝負はかなり白熱な試合になっていて、両者一歩も譲らなかった。
第3試合 土方VS銀時
それを眺めながら土方と銀時はうちの子自慢をしながら、ジャンケンではなく、飲み比べ対決を始めていた。
沖田と神楽の勝負はさらに苛烈し、もはやただの殴り合いに発展していた。そんな誰もルールを守らない状況に新八は、第2試合も無効と判断し、第3試合の方を見たが。
土方と銀時は思いっきり地面に吐いていて、そんな2人の背中を凛がさすっているところだった。
「おぃぃぃぃ!!!何やってんだ!!このままじゃ勝負つかねーよ!!」
新八はダメな大人2人に怒りがこみ上げた。
「心配すんじゃねーよ。俺ァまだまだやれる。シロクロはっきりつけよーじゃねーか。このまま普通にやっていてもつまらねー。ここはどーだ。真剣で『斬ってかわしてジャンケンポン』にしねーか!?」
「上等だコラ」
「お前さっきから『上等だ』しか言ってねーぞ。俺が言うのもなんだけど大丈夫か!?」
「上等だコラ」
銀時と土方の会話はもう完全に酔っ払いのそれだ。危ない提案をした銀時とそれにのった土方に呆れながら、2人は止まらないと思い、凛はいざとなったら自分が止めレバいいかと成り行きを見守ることにした。
「「いくぜ!斬ってかわして!ジャンケンポン」」
「とったァァァァァァア!!」
銀時が勝ち、刀を抜き斬り倒した。
普通なら凛は、自身も刀を抜きその太刀を止めていただろうが、一切動かなかった。
なぜなら、銀時が斬りにかかった方向が土方とはまったくの別方向だったからだ。
「心配するな。峰打ちだ。まァこれに懲りたら、もう俺に絡むのは止めるこったな」
そんな銀時の姿に呆れ、凛は土方の方を見てみると。
「てめぇ。さっきからグーしか出してねーじゃねーか!!ナメてんのか!!」
定春とジャンケンしていた。
いい歳した大人が、と凛はため息をついた。もう付き合ってられないと、山崎と新八とうなずき合い、自分たちは自分たちで花見を始めた。
すると、先ほどの近藤が想いを寄せているという綺麗な女性が凛のところに寄ってきた。
「凛さんですよね?私、志村新八の姉の志村妙です。新ちゃんから話を聞いた時からずっとお話ししたいと思ってたんです。」
「新八くんのお姉さんだったんですね!改めて篠崎凛です。私も会えて嬉しいです。」
さきほどの近藤への暴挙が嘘のように、お妙の美しい所作に本当に綺麗な方だなと凛は思った。
「実は最近、ストーカーに困っていまして、もう殺るしかないかなってぐらいに精神が追い詰められてるんです。でも、女性警察官の方がいるなら安心しました。やっぱり、女性の方の方が親身に対応してくださるって言いますし、これからよろしくお願いしますね。」
凛はその背後に、お宅のペットのゴリラちゃんと飼育しとけや。というお妙の黒い影を見た気がした。
「…はい。いつでも相談してください…。」
凛ももう何も考えまいと、この件に関しては見て見ぬ振りをした。
その後、お妙と語り合っているうち、歳も近く、気があったので、お互いに敬語で話すことをやめにした。休日にでも一緒に出かける約束をして、凛は友達が増えたことに喜んだ。
外見だけでなく、心も美しいお妙にこれは近藤さんが惚れるのも頷けるわね、と近藤を密かに応援することに決めた。まぁストーカー行為は認めないし、自分の命が危ないのでお妙の前では言えないが。
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