8
凛が泣き止む頃には、すっかり夕日が辺りを美しく染め上げていた。
「凛。今お前は幸せか?」
銀時は彼女をまっすぐ見据えて尋ねた。
すると彼女は満面の笑みを浮かべた。
「うん。すっごい幸せ。真選組は私の大切なもう1つの家族だから。」
「そっか。」
銀時は安心したように顔をわずかに緩めた。
「今かぶき町で万事屋やってんだ。何でも屋ってところだな。従業員にガキ2人いるんだよ。あと犬が1匹。良かったら遊びに来い。何なら依頼とかな。妹割引するから。あ!遊びに来るときは、酢昆布とホールケーキでいいからな!ガキ共が喜ぶからよ。」
「酢昆布はともかく。ホールケーキは銀ちゃんが食べたいからでしょ!妹にまでたかるとは…末期症状のダメな大人、略してマダオね。」
と凛は冷めた目を向けた。
「マダオはやめろぉぉおお!もう既にいるから!仮に銀さんがそれ取ったら、長谷川さんのキャラ立ちがただの無職だけになっちゃうから!お兄ちゃんのガラスのハートバッキバキ!」
「防弾ガラスの間違えでしょ」
「凛ちゃん?!?!そんな子に育てた覚えありません!」
そんな銀時とのやり取りを懐かしく思いながら、凛の心は幸せに満ちていた。
[ 11/254 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]