05




※前話より激しい自慰行為が出てきます。苦手な方は避けて下さい。読まなくてもストーリーに支障はありません。



瓶を受け取って、名前もカカシの真似をして口に含んだ。カカシが雛鳥のように今か今かと待っている。膝立ちになって、座るカカシの高さに合わせた。シーツが落ちないように胸元で抱き込んだ。意を決して、カカシの開いた唇の中にジュースを注ぐ。カカシの喉が鳴って、注いだジュースが消えていく。

死んじゃいそうな程に恥ずかしい。カカシにされるのと、カカシにするのとでは全く違う。耳がこの上なくが熱い。

カカシよりも何回か多く口移しをして、やっと瓶は空になった。名前が口を離そうとすると、カカシが後頭部を押さえてきた。冷えた口の中を、カカシの舌が蠢く。応えようと名前も舌を追いかけた。舌の上の甘味が消えて、やっとカカシが唇を離す。

「つかれた」
「ごめんね」

カカシがシーツを抜き取り、抱き締めて来る。
カカシの肌の温かさを感じていると、割れ目をサッと触れてきた。思わず名前は腰を引いた。先程、自らで弄ったせいで直後と変わらずたっぷりと濡れているのだ。

「さっきまでやってたこと、俺に見せてよ」

密かにやっていたつもりだが、カカシは気付いていたようだ。
指で胸を弄られ、脚の力が抜ける。少しずつ腰が落ちて行く、もうベッドにヘタレこんでしまおうと思ったとき、割れ目に冷たく硬いものが当たった。名前は思わず逃げようとしたが、カカシが制してくる。

「ダーメ」
「で、でも」
「1人で勝手に楽しむなんてずるいじゃない」
「ち、ちがうよ……」

弁解しようとするが、カカシが腰を掴んだまま下ろして来る。割れ目に冷たい先っぽが入って来て、確信する。先程飲み終えたばかりのジュースの瓶だ。

「あ、あ……」

瓶が中に侵入して来る。恥ずかしくて止めたいのに、カカシが許してくれない。腰を浮かそうとすれば、腰を掴まれダメでしょと優しく諭される。先程までカカシの太いものを挿入されていたせいで、ずっぷりと簡単に咥えこんだ。

カカシの肩に手を乗せるよう言われる。肩に手をついたのを確認すると、唇を重ね再び舌を侵入させてくる。カカシの手が両胸を揉みしだいた。

カカシは、指ではなく瓶で先程の自分の行為を見せてこいと言っている。そんなの無理だ。恥ずかしい。

名前が動けないまま戸惑っていると、仕方ないね、とカカシが片手を瓶に伸ばして来て瓶の抜き差しをして来たのだ。

「や、やだ……!」

拒んだ言葉は、キスでくぐもったままカカシには届かない。ついさっきまでの行為で見つけられた名前の弱い場所を、体温で少しぬるくなった瓶が突っついて来る。

「じゃあ、自分で出来る?」

名前は、涙ながらに頷く。すると、カカシは瓶を抜いてベッドの真ん中に置いた。
名前は真ん中に移動して、ゆっくりと腰を下ろし、再び瓶を呑み込む。まるでカカシを咥えた時のように、ゆっくりと。瓶からの刺激と、カカシに見られている羞恥心で頭の中がグチャグチャになる。

「あ、や……」

カカシが、丸ごと食べてしまうかのように胸に吸い付いてくる。舌がべろりと触れてくるが、肝心の中心に触れそうで触れない。周りだけを舐めて中心には熱い息だけが掛かってくる。もどかしくて堪らない。

焦らされて、もっと刺激が欲しいと腰を動かしてしまう。蜜が瓶を伝い、シーツを濡らす。
ただの瓶で感じてしまうなんて、おもちゃですら遊んだことのないのにと名前は唇を噛み締める。カカシは中央に触れないまま、唇を離した。

「他にはどこ触ったの?」
「し、してない!」
「そう」

カカシは嘘を見破っているだろうが、敢えて気付かないフリをしている。

「じゃあね」

只でさえ、瓶にぱっくりと開かされているのにカカシは指で更に割れ目を左右に開いた。開いた中から突起が真っ赤になって充血しているのが見えた。

「ここの赤くなってる所、自分で触ってごらん?」
「むり……」
「お願い」

カカシが唇に触れる。この男のキスに弱いと名前は思う。
恐る恐る自らに触れると、強い刺激に体が飛び跳ねる。

「あ……!」

ずぷずぷとゆっくり腰を上下に動かしながら、突起を指で捏ねくり回した。割れ目を拡げてきたまま、カカシが間近でその様子を眺めている。

「み、みないで」

名前は、カカシの目を手で隠すがそれさえも楽しそうにしてくる。

「名前のここ、真っ赤だね」

カカシが今度は舌だけを胸に伸ばして来た。しかし、カカシは舌を動かそうとはせずに、舌が擦れる位置で止まったのだ。
カカシは動かなくても、名前が腰を動かしているせいで舌が擦れてくる。カカシの舌を使って自分を慰めているなんて、この上なく恥ずかしい。でも、痺れて気持ち良くて自分でも止められない。
薄緑の瓶の中にも、濃い蜜が滴り落ちる。

「瓶の中に溜まって来たね」
「い、わないで」

カカシは、やり過ぎたかな?と心配しつつも、名前の恥ずかしがる様を見て興奮してしまうのだから最低だと自分で思う。

「もう少し頑張って」
「ま、だ……?」

もう十分に恥ずかしい思いをしているのだ。名前は、早く終わらせようと腰の動きを速める。粘り気のある水音と名前の吐息だけがベッドルームに響く。その様子をカカシが舌を押さえつけたまま、上目遣いで見てくるのだ。
カカシに見られているだけで、体の奥が熱くなる。こんな恥ずかしい姿を見られているのに、妙に興奮している。止められない自分が恥ずかしい。

瓶の中から、ちゃぷりと微かな音が聞こえ始める。カカシに目線を送ると、もう少しと促された。名前は小さく抗議の声をあげたが、じっと見つめられるだけで言い返せなくなる。

「あ、もう」

再び、内腿が勝手に震え始める。カカシが避妊具を装着している。またカカシが抱こうとしてくれている。期待に胸が膨らむ。
カカシが名前を抱き締めて、頭を撫でる。

「頑張ったね」

カカシは、名前から瓶抜いてサイドテーブルに置いた。名前の体を寝かせるように倒した。バスローブの間から腫れ上がったカカシが再び姿を現す。今度は躊躇することなく、名前の奥まで挿し込んだ。
名前の脚がピンと伸びて、カカシをキュウと締め付けた。感じたことのない快感に頭が真っ白になる。

カカシが名前の手を繋がる場所に持って来させた。

「さっきみたいに自分で出来る?」

太股を左右に割り開くと、カカシは何度も緩やかに抜き差しする。名前はカカシに言われた通りに指を充血した突起に伸ばした。

カカシは、辛抱たまらない様子で唇を噛んでいる。

あんなに零れたはずの蜜が、再び溢れ出す。散々溢れさせたせいで決壊したのか、とめどなく湧き出る。今度はカカシの太股までたっぷりと濡らした。

カカシは両肘をつくと、名前の頭を抱き込んで、ピストンのスピードを速めた。ずっしりと鍛えられた胸板が、名前の頬に触れる。熱く心臓の音まで聞こえてきそうだ。腰を打ち付けられる度に、カカシの苦しそうな吐息が名前の耳に届く。
名前は、甘い声を上げながら湧き上がる快感を耐える術を探す。両腕をカカシの背中に回した。爪こそ立てないが、指を食い込ませる。

「名前、好き」
「カカシ……」

腰を一番奥まで押し付けられる。再びカカシが名前の中で弾ける。

「好きだよ、名前」
「う、ん」

唇を重ねて、互いを慈しみ合う。名前の上唇を味わうように、カカシが甘噛みする。
体がベッドに沈み込みそうなほどにゆったりと重力が掛かってくる、目が開けられなくなり、名前は瞼を下ろした。





目を開けると、頬杖をついたカカシが名前を見下ろしていた。

「おはよ」
「あれ?」
「寝てたよ。ま、激しかったからね」

名前は、行為を思い出して一気に顔を赤くした。カカシに唆されたとは言え、なんと恥ずかしいことをしてしまったんだ。有り得ない痴態をカカシに間近で見られてしまったのだ。

「恥ずかしかった?」
「あ、当たり前です!」
「ごめんね。嫌だったよね」

恐らく他の男にされたら、恥ずかしさと苦しさで途中で止めていたと思う。何故、カカシの言うことは素直に聞いてしまうのか。

「べ、べつに……それは……」
「そう?可愛過ぎて、俺も興奮したよ」
「な!もう!調子乗らないで!」
「ごめん」

カカシが笑いながら名前を抱き締める。背中をさすってくれていると思いきや、手が降りてきてお尻の膨らみに触れた。

「あ、どこ触って!」
「はー、名前好きだよ。お尻も全部好き」
「誤魔化さないでください!」

本当だって、とカカシが名前の顔中にキスを降らす。

「幸せだなあ」
「大袈裟です」
「そんなことないよ、幸せ過ぎて死ぬかと思ったもん」
「その割には、意地悪してきた……」
「そ、それは、恥ずかしがる名前が可愛過ぎるからでね」

名前は、ふーんと連れない返事をしてカカシの胸に潜り込んだ。カカシの匂いがする。

「怒った?ごめんね」
「別に怒ってないです」
「ええ……」

少し狼狽えるカカシが面白くて、名前はクスリと笑う。

「あ、笑った」
「仕返しです」

カカシは名前の全身を抱き締めながら、ベッドの上を転がり回る。揉みくちゃになったシーツの中でカカシが幸せそうに笑っている。

「ちょっと!カカシ!待って!」
「ごめんね、好きだから」
「な、もう!」
「本当に大好きだよ。だから、名前が嫌ならもうしない」
「その……恥ずかしかっただけで、嫌と言うか」

途中まで言って、自分は何を言っているんだと口篭る。

「さっきみたいに可愛がってくれるなら」
「当たり前でしょう!」
「でも、毎回は嫌です」
「分かった。気を付ける」

チェックアウトのギリギリまで、裸で抱き合いながらホテルを出る準備をした。同じシャワーを浴びながら、ボディーソープで洗い合った。タオルも同じものにくるまって体を拭きあった。
クリーニングに出した服は綺麗にアイロンを掛けられて、ふんわりと良い香りがした。

帰り道はタクシーを呼び、カカシの自宅に帰ることにした。このまま解散しても良かったが、何となく離れ難く一緒にカカシの家に入った。
チェックアウトで思ったのだが、カカシは何やら紙袋を増やして帰って来ていた。

「朝食、買っといたから食べようか」
「いつの間に」

カカシがその増えた紙袋から、更に紙箱を取り出す。

「用意してくれてありがとう」
「いいえ。ま、もう昼だけどね」

名前も手伝いを申し出たが、カカシに座らされて目の前に準備されるものを眺めていた。コーヒーを淹れながら、カカシは鼻歌を歌って食器に盛り付け直している。

後ろ姿を眺めていると、何時間か前のことがフラッシュバックしてしまう。目の前にいる男の人に、ついに抱かれてしまったのだ。男前に見せるような美しい体を持ってはいないが、カカシの御眼鏡に何とか適っていればいいなと思う。

「お待たせ」
「ありがとうございます」

カカシが用意してくれたのは、クロワッサンのサンドイッチやジャムの添えられたスコーン、フルーツの入ったサラダ。温め直してくれたスープを半分こにした。
食事を終えると、ゲームに興じた。前回遊びに行った時よりもソフトの数が増えていて、カカシが益々ゲームにハマっていることに思わず笑ってしまった。
気付けば、もう時刻は夜を指しており名前は驚きの声をあげる。

「また近くまで送るよ」
「近いし、寄りたい所があるから大丈夫ですよ」
「そっか、気を付けてね」
「うん。ありがとう」

カカシが名前を抱き締めて来て、優しく髪を撫でる。

「また連絡するよ」
「うん。私もしますね」

カカシが唇を重ねてくる。名前も応えるように背伸びをして、高さを合わせた。

「ほんとにさ、離れたくない。一緒に住もう」
「あんまり家事とか得意じゃないよ」
「いいよ。俺が全部やる」
「そんな、すぐ嫌になっちゃうよ」
「ならないよ、名前は特別だから」

カカシが名残惜しそうに体を離した。
名前が玄関を出て、エレベーターを呼び出す。カカシはその様子を玄関から眺める。カカシはエレベーター前まで行きたかったが、そこまで行ったら最後までついて行ってしまいそうで我慢した。エレベーターが来るまで、名前は照れ臭そうにはにかみながらカカシに小さく手を振った。エレベーターが着くと、大きく手を振って名前は乗り込んでしまった。

カカシは玄関扉をゆっくりと閉めた。気配がなくなったことを確認すると、やっと大きな溜息を吐いた。扉に頭を打ち付ける。

「やり過ぎちゃったな」

今朝方の事は、やり過ぎてしまったと反省している。名前の見たことのない顔も声も何もかもに興奮してしまったし、名前がベッドの中から1人で可愛い声を出していた時には、受け止めきれる限界点を簡単に超えてしまったのだ。
気持ちも行為も押し付けてしまって、名前に嫌われてしまったのではないかと心配になる。
これで、連絡しても返してくれなくなったらどうしよう。今回送らせてくれなかったのも、面倒だと思われていたとしたら。

正直、時間を気にして焦り過ぎている所はある。それで何度も自己嫌悪に陥っていると言うのに、名前を前にすると平然では居られなくなるのだ。

「はあ……」

この身が消えるまで、毎度の反省会は終わりそうにない。



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