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今まで微妙な原作沿いにしていましたが、ここからは本格的に原作沿いにしていこうと思います。ご了承下さい。






シーモンキーの群れが大波を起こし、メリー号に襲いかかってきた。風がないため、すぐに帆を畳んで漕ぎ出す。その時、見張り台にいたウソップが何かに気づいた。

「緊急報告!緊急報告!12時の方角に船発見!」
「何だ敵か?」
「こんな時に〜〜っ?」
「いや…それが!!旗もねェ、帆もねェ、何の船だか…」
「何だそりゃ、何も掲げてねぇ〜?何の為に海にいるんだ!?」

船を漕ぎながらよく話せるものだ。私なんて体力も腕力もないから、黙っていないとバテてしまいそう。

「わからねェ…!それより、乗ってるクルーが異様に少ねェし…それに…すげェ勢いでイジけてるぞ!まるで生気を感じねェっ!」
「どういうこった!?大丈夫かあの船!」
「このまま波に飲まれちまうぞ!」

大波が来ているのに何もしない彼らを心配してか、ルフィが大きく息を吸って声をあげた。

「おーい!お前らー!大波と猿がきてるぞー!舵きれー!」

彼らは慌てて動き出そうとするが、まとまりがない。船長も航海士もいないらしく、何をすればいいのかわかっていない。

「宝を奪えだ、と。やっぱ敵だ放っとけ。」

話しているのを聞く限り、海賊らしいけどこのままじゃ大波に飲まれてしまう。すると案の定、船は大波に襲われ、沈んでしまった。

「航海士や船長を失えば、命取りになるのね。」
「あれを見て学んだのかしら?」
「そう言われると、なんだが不謹慎だけど。思ってしまったの。」
「仲間を失うのが、何よりも怖いのよ。」

ロビンは遠くの海を見つめながら言った。それは、どういうことなのか。過去に一度失ってしまったことがあるのか、私にはわからない。小さく微笑んだあと、ロビンは見張り台へと登って行った。

「ふー、おさまったか…」
「というより、あの大波はシーモンキーのいたずらよ。湿度も気温もずいぶん安定してるからもう次の島の気候海域に入ったんじゃないかしら。」

やっと安定した海域に入り、安堵の息を吐く。少しだけ息が乱れているのは私だけみたいだ。

「おいロビン、なんか見えるか?」
「島がずっと見えてるわ」
「言えよそういうことは!!」

ウソップとルフィにツッコまれているロビンに思わず笑ってしまった。島が見えているなら、もうすぐ上陸だ。そういえば、空島のときから着替えていないな、と思い出し部屋に急ぐ。ナミはさっき着替えていたけどロビンはいいのかな。とりあえず、クローゼットを開けた。

すそを絞った白いスケたシャツに、私の大好きな色の赤いふんわりとしたスカート、靴は冒険ように底がぺったんこの茶色いサンダル、頭には薄い茶色のハット。今日のコーデはこれで決まり。服は全てアラバスタでナミの値引きによって安く買うことのできた服だ。

「素敵ね、とってもセンスがいいわ。」
「ありがとう、ロビンも着替えに来たの?」
「ええ。それに、もう島に着いたわよ。」
「ルッルフィは!?」
「上陸したわ。」
「やっぱり…………」

ハットをかぶり直し、女部屋を出る。よし、ルフィを追いかけようか、甲板に出るとなにやらそんな空気ではなかった。

大きな船にメリー号の行く手を封鎖された。メリー号から降りた私たちにその人たちはこう言った、我々はフォクシー海賊団だ、と。


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