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神の島(アッパーヤード)『神の社』



「神(ゴット)…神官達がお着きに」
「扉を開けよ。」

口を塞がれ、目も塞がれ、声だけを頼りに周りに耳をすませる。連れ去られてからまだ数分ほどしかたっていない。

「ヤハハハハ!」

誰かの笑い声が聞こえるなか、なにが起きているのかわからない恐怖で自然と体が震えていた。

「我が神なり。」

ピリッとなにか衝撃を感じた瞬間、また違う誰かに体を包まれた。力強く、ぎゅうっと私を引き寄せると、なにか柔らかい感触のところに座らされる。

「ヤハハハハ…退屈だったのだ。お前はあの青海人の仲間か。」

目と口を塞いでいた布を取られ、目の前の人物をみる。この人が、神。舐めるように全身をみられたあと、そっと頬に手を添えられた。

「ヤハハハハ、美しい目だ。」

目の前の神から目が離せず、私はただじっと見つめていた。どうして、こんなに…………冷酷で……

「冷たい目…か。ヤハハハハ!」

考えていたことを言われて、ハッと口をつぐむ。

「お前の名は。」
「………アミ。」
「アミ。我はエネル。神だ。」

神。それは運を司る私にとっては必要かつ、信じられるもの。本当にいるとは知らなかったけど、存在はなんとなくわかっていた。

「我に会いたかったか?」
「………! あなたは本当の神じゃない。」

こんなに自由で、勝手で、無責任な人なんかじゃない。神はもっと、誠実な人だ。それに、悪魔の実なんてものに頼りなんてしない。キリッと睨みながら、少し周りもみる。なにかソファのような場所に座られていて、辺りはやはり白い雲。ここは、どこだろう。

「そんな目でみるな。興奮するであろう。」

ゾクリと背筋が凍り、少しずつ後ずさる。この人、危険だ。適わない、と瞬時に私は判断したのだから褒めてほしい。その判断は賢かったからだ。

「さぁ。こっちに来い。」

近づいてくるエネルに、私は逃げるように後ずさるがすぐに追いつかれて引き寄せられる。逃げようにも逃げられず、ただ恐怖心だけが私の中を支配した。

「あの青海人の女か。」

ルフィのことを思い浮かべていたことがばれたのか、見事言い当てられる。逃げられないように腰を押さえられ、強引に口付けられた。

「やっ!……!」

抵抗しても、男の人の力には勝てず、長いキスを我慢するしかない。でも生憎、私はキスを利用する能力者だ。使わない手はない。能力、Devil Kissでエネルを不運になるようにする。その直後、電気が身体中を巡った。バチバチッと音を立てて。

「なにかしたな。苦いキスだ。」

全身が痺れて、私の意識は遠のいていく。電気、雷、きっとどちらかの能力者だろう。ルフィ、と呟いた私の声は誰かの耳に届いただろうか。

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