021
「海軍本部、中将クミと言います」 「海軍?なにしに来たのじゃ」 「これから戦争が起こります。七武海のあなたに戦争に参加してほしいんです。」 「嫌じゃ。それより邪魔じゃ。わらわは今からルフィに大事な話があるのじゃ」 「……すみません」
ハンコックはピンク色に頬を染めて、ルフィを見た。ルフィもハンコックみたいな絶世の美女がいいのかな。
「クミ」 「…?」
ルフィは真剣な顔をして私に近づいてくる。そんなルフィの様子をみんなが黙って見つめた。
「会いたかった…」
気がつくと、ルフィの腕の中にいた。強く…強く…抱きしめられている。
「ルフィ……私も……」 「クミ……」
何度も呼ばれる私の名前。大好きなルフィの声で呼ばれると、私のなにかが壊れそうになる。その香りに包まれると、なんだかすごく久しぶりな気がして。鼻をルフィの胸に擦り寄せる。
「クミ」
ルフィがそっと私を離して、目が合う。 ずっと見つめ合っていたい。真っ黒なルフィの瞳が私だけをとらえてる。
「好き」
ルフィの耳元で、誰にも聞こえないくらい小さな声で言うと、ルフィは赤い顔で笑った。
「おれも」
ルフィも私の耳元で囁いた。大好きなルフィの声…。このままとろけてしまいそう。
「ゴホンッ」
さっきのおばあさんが咳払いをした。あ、忘れてた。
「あ、いたのか。」
ルフィも忘れてたみたいだ。
「すみません。ルフィにお話があったんですよね…。私席を外します」 「え、クミもいろよ」 「いや、駄目でしょ……」 「ルフィ…、先ほどの続きを…」
ルフィはもう一度私を抱きしめると"後で会おう"と言った。私はニコリと笑って、ハンコックの城から出た。まだ、ルフィの香りがする。
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