010

モリア撃退から1日後…。


「チョッパー!」
「頼まれた物も持ってきたぞー!!」


ルフィとフランキーが大きな荷物を抱え、眠るゾロの元へやってきた。


「ありがとう!」
「具合どうだ?」
「こんなにダメージを残したゾロは初めてみた。命だって本当に危なかったよ。
やっぱりなにかあったんじゃないかな。おれ達が倒れている間に。」


そう話すチョッパーを見つめるブルック。
ウソップとロビンはゾロに近づいた。



「確かに。あの男があのまま帰ったとは考えづらいものね」
「ルフィが異常に元気なのもおかしいよなー?」
「そればっかりは…おれもわかんねェ!!」


ルフィはダメージなど受けていなかったかのように元気だった。


「なにが起きたか…、実は見ちったー!」
「おれも見ちった一部始終!」
「教えてやろう!」
「あの時なにが起こったかー!」


つい昨日までゾンビだった、ボロボロの服を着ている2人が名乗り出た。
そこにサンジが止めに入り、外に連れて行った。


「ちょっとなんでー?おめェもいかしてたぜー?」
「剣士よりおれの命をとれ!なんて」
「うっせェ!!」


サンジは瓦礫に座り、たばこに火をつけた。


「はやく話せ、あの後なにが起きたんだ。おれが気を失って…その先だ」
「お、おう…」



男達はクミが出るまでをすべて話す。


「ここで、1人の女海兵の登場だ」
「女海兵?」
「花の冠をつけた、それはかわいらしい女でよ…。『正義』のコートを投げ捨てやがった」
「それは……、」
「で、2人でそのダメージの中へと消えていった訳よ!!」
「おれ、泣けちまったぜー!」


サンジはそれはクミのことだと気づく。
どうしてこんな所にいたのか、どうして海賊に味方したのか…。
そんな疑問を持ちつつ、たばこの煙を吐き出した。


「なるほど……、それでルフィが元気になってゾロがああなったのか…、無茶しやがる…。それにゾロが生きていたのもクミちゃんのおかげかもしれねェな…。」
「よーし!麦わら一味の美談、みんなに話してこよーと!」
「待て!!…野暮な真似はするな。あいつは恩を売りたくて命張ったわけじゃねェ。
特に、自分の苦痛で仲間を傷つけたとしるルフィの立場はどうなる!」


男2人は言いたくてうずうずしているようだが、サンジの言葉になんとか抑えたようだ。
この話をロビンが聞いていたなんて誰も知らなかった。











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