>>光が闇に呑み込まれる



「クッ……!また私の中の闇が疼きやがる……!!」
「……フッ…今度こそお前を俺の光で消滅させてやる!」

超黒竜剣(スーパーブラックドラゴンソード)を取り出した蜜柑は己の闇の力をその剣にためる。

「その……力は……」
「ハハッ、ダイッキー……忘れたのかこの闇の力を……」
「……ッ!頭が……頭がァァ!」
「お前は元々こちら側の人間だァ!!」

青峰はあまりの頭の痛さからその場に膝をついた。そこに金髪の戦士が助けに来る。

「青峰っち!そんな力に負けちゃ駄目ッス。約束したじゃないッスか……俺たちで闇を滅ぼすって……」
「黄瀬……」
「フンッ……こうなったら二人まとめて………いたっ!!!」

中二病全開の三人の頭を思いっきり叩いたのは赤司征十郎。黄瀬と青峰には外周を、蜜柑には大量の洗濯物を押し付けた。

「お前は………炎の使い手……アカーシ・セイジュー・ロー!!」
「もうやめておいた方がいいですよ、森下さん。」
「蜜柑……はやく洗濯に行かないとどうなるかわかるよね……?」

蜜柑にだけ見せた黒い笑みは、この世のものとは思えないほどのものらしい。蜜柑は急いで洗濯をしに走って行った。その背中を片手にハサミを構えた赤司が呆れた顔で見ている。

「昔はあんな風な子じゃなかったのにね。どこで道を間違えたんだろう。」
「昔からじゃないんですね。」
「クラスメイトの“闇田”って奴のせいなのだよ。」
「誰だそいつは。」
「1年から森下と同じクラスらしい。」

1年の時、緑間と闇田と蜜柑は同じクラスだった。まさか幼馴染に“闇田”という男の気配がするとは思っても見なかった赤司は小さく舌打ちをする。蜜柑が変わっていく感覚にイライラを抑えられないのだ。

「闇田に話を聞こう。これ以上蜜柑に近づくなら容赦はしない。」
「お願いしますから、殺人だけはやめて下さいね。」
「黒子…俺がそんなことするはずないだろう。」

“信用できない”と緑間と黒子の心の声はシンクロしていた。そこでちょうど帰って来た青峰と黄瀬に八つ当たりで5周追加した赤司は鬼より怖いと思った黒子なのだった。

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