ナミやロビンみたいに豊富な胸もあるし、顔立ちもましな方だとは思ってる。だからそこそこモテるのだけど、嬉しく思ったことはない。だって、ほら誰だって体目当てでしょ?
目の前のこいつもきっと体目当てのはずだ。息を乱し、私に近寄ってくる。

「はぁっ、なまえっ」
「なに、また欲情してるわけ?」

目の前のルフィは私をみている。いや、私の胸をみている。冒険にしか興味のなかった船長は変態になってしまった。戦うときは戦うんだけど。なぜこうなったのかは不明だ。

「なまえ、触らせてくれ。」
「…彼氏でもない人にどうして?」
「だから前から言ってるだろ?好きだって!」
「信じられない。触りたいからでしょ。」

断っているのにジリジリと近づいてきている。ルフィの息づかいは荒い。

「どうやったら信じてくれる?」
「体が目当てじゃないってわかったら。」

真剣な顔で頷いたルフィにドキリとした。そうだ、変態になる前は彼の闘う時の真剣な顔に惹かれていたんだ。そしていつもの笑顔が大好きだったのに、どうして。

「なまえ。」

グッと引き寄せられ、ルフィの腕の中にすっぽりと収まった。ドキドキするのは、まだ好きだからだろうか。

「………ああっ我慢できねェ。」

ルフィの手がお尻に触れた瞬間に海楼石でできたネックレスを押し付けてやった。力が抜けてしまって、緩んだ隙をついて離れる。

「ち、力がぬける………」
「馬鹿、ルフィ。」
「なまえ!!」
「なに?」
「本気なんだ」
「馬鹿!嫌い!」

本気だとそんなに言うなら行動で示してほしいと思う。海楼石のネックレスは私のお守りだ。これには何度も助けられた。誰から貰ったかはもう覚えていないけど、これを作った人には感謝してもしきれないほどだ。

「どうして変わったの、ルフィ。」
「変わった………?」
「私を変な目でみない、唯一のあなたがす…………何でもない。」

好きだったとは言えない。理由はわからないけど、言えなかった。ルフィは寂しそうな顔をした後、甲板から去って行った。

タイムスリップが出来るならルフィが変態になっていない時に戻って、告白したい。そう思うのは何度目だろうか。

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