「ライナー!どう?」
遅れてきてごめんなさいとちゃんと謝ってからライナーに浴衣を見せるように一回転してみせた。一緒に見に行ってもらったアニに今度何かお礼をしよう。
「似合ってると思うぞ」
恥ずかしいそうに目を逸らしながらも、ちゃんと言ってくれたライナーに笑顔でありがとうと伝えた。顔が熱い、なんて素直に言っちゃうライナーが少し可愛く見えたのは内緒だ。
そんなライナーとお祭りを楽しむこと数時間。そろそろ花火が上がる頃だろうからと移動を始める。
「あ、クリスタ。」
そんなライナーの声がして振り返る。そこには可愛い浴衣に身を包め、天使の様な微笑みを見せるクリスタがいた。
「浴衣似合ってるな。」
ぐるぐると渦巻く真っ黒な感情。所詮醜い嫉妬だ。天使の様な真っ白なクリスタとは違い、私は性格が悪いんだろう。
ライナーは誰にでも似合ってるなんて言うんだ。そう思えば怒りが込み上げてきた。クリスタと付き合えば良かったんじゃないの。
「じゃあね、ライナー!なまえ!」
「おう」
「…またね!」
クリスタは悪くない、悪くないのにぎこちない返事をしてしまったと後悔した。
ライナーはご機嫌な様子で隣を歩いている。歩幅も合わせてくれるし、手の握り方も優しい。私のこと好きなんだ、と思う反面クリスタの存在が頭を過る。
「ここならよく見えそうだ」
「………ライナー」
「?、どうした?」
「ちゃ、ちゃんと私のこと好き?」
目をじっと見つめながら聞くと、ライナーは目線を逸らした。やっぱり私なんて好きじゃないんだろうか。
「………突然どうした?」
「バカ……ライナーがクリスタをいやらしい目で見るから!」
「なっ!?見てねぇ……なまえしか……嫌、違う。忘れてくれ。」
どうして私の名前が出てくるの。今はクリスタの話をしてるのに。ライナーを下から睨みつける。
「私とクリスタ、どっちが好きなの!」
「!?、天使?」
「天使?何のこと?」
「いや、こっちの話だ。」
なぜか顔が赤いライナーは逸らしていた目を私に向け、そのまま抱きしめてきた。まだ花火が上がっていない今、人が集まる中抱き合う私達に視線が集まる。
「結婚しよ。」
「結婚!?」
「なまえが思ってる以上に俺はなまえが好きだって事だ。」
「クリスタより?」
「当たり前だろ」
「こんな嫉妬深い私でよければ、お願いします!」
私達をお祝いするように、花火が上がる。周りの人達が花火に釘付けになる中、私とライナーはキスを交わした。
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