エレンが、運命の人でした。調査兵団に入っても、誰にも目移りしないし。エレンも愛してくれるし、これが本当の恋だったんだ、と理解した。 でもまさか、巨人化したエレンにも好きだと思うなんて思わなかった。最初は驚いたけど、目はエレンそのもので、人間だろうが巨人だろうがエレンはエレンだと感じた。そんな大好きなエレンが私と同じくらい背の目つきの悪い男にボコボコに蹴られた時は本当に殺意が湧いた。 そんな人が現在の上司、リヴァイ兵士長だ。 「さっさとエレンを起こしてこい。」 「どうして直々の上司でもないリヴァイ兵長の雑用をやってるんですか。」 「エレンの世話をしたいって言ったのはてめぇだ。」 直々の上司はハンジ分隊長だっていうのに、この人はすぐに私をこき使う。リヴァイ兵長なんて大嫌いだ、そう心の中で思った瞬間に腰を蹴られた。全てはお見通しですか。 「大嫌いです。」 「さっさと行け。」 また腰を蹴られて、私は急いでエレンが眠る地下室に向かう。あんな性格だからこそ人類最強なのか。 「エレーン。」 「……………ん。」 エレンの体を数回揺さぶると、ゆっくりと目を開けた。寝癖が可愛いな、なんて思いながら朝の挨拶をする。 「モモ、本部に戻らなくていいのか?」 「あの毒舌兵士長が戻してくれない。」 「そんなこと言ったら兵長に殺されるぞ!?」 「もう二発蹴られてきたから、慣れたよ。」 大丈夫か、と頭を撫でてくれるエレンに抱きついた。慌てるエレンなんてお構いなしに抱きしめる力を強める。するとエレンも優しく抱きしめ返してくれた。 「好きだよ…エレ…おわっ!!痛い!!」 思いっきり背中を蹴られて、何事かと後ろを振り返ると怒りに満ちたリヴァイ兵長がいた。 「起こせと言ったはずだ、抱きつけとは言ってねぇだろ。」 「いいじゃないですか!これくらい!」 「削ぐ。」 「削げるもんなら削いで見て下………」 今まで見たことがないような殺気満ちた顔に、もう私の命は無いと思った。それくらい兵長が怖い。 「さっさと動け。エレンも嫉妬してる暇があったらこいつをしっかり躾しろ。」 嫉妬?エレンの顔を見ると、なんとも言えない悔しいような悲しいような驚いているような、変な顔をしていた。 リヴァイ兵士長、絶対にいつか抜いてやる。私が人類最強になって、エレンを一生守ってやる。 ーーーーーーーーーーーー 兵長はまだモモが好きではありません(笑) ただウザがってるだけです(笑) 戻る |