次は誰だ、と呆れたように呟くエレンを横目にパンを口に運ぶ。コニーはどうやら運命の相手じゃなかったみたい。彼こそが運命の相手なのよ。

「ベルトルトか?」
「背が高くて、優しくて、階段から落ちそうになったところを助けてくれたの!」
「ハァ。」

ため息をつくエレンを見るのは何度目だろう。そんなことはどうでもいい。ライナーと話すベルトルトを見つめる。その優しい微笑みを私に向けてくれないかな。

「お前ら仲良いな!」
「コニー。」

エレンの隣に座ったコニーを見ても、顔は熱くならないしトキメキもなかった。やっぱり運命の相手じゃなかったな。

「次はベルトルトか?」
「昨日まではお前だったんだ。」
「オレ!?まぁ、当たり前だがな。」

そんな男たちの会話はどうだっていい。ベルトルトと話したい。どうしようかな、話しかけちゃおうかな。

「おい、モモ。」
「ん?」
「聞いてんのか?」
「ごめん、何の話?」
「お前はどうすんのかって。」
「なにが?」
「配属兵科!」
「あー。」

ベルトルトを見てたから全然話を聞いてなくて怒られた。あ、そっかエレンに言ってないんだっけ。

「私は調査兵団に入る。」
「はぁ!?」
「てっきり憲兵団に入るんだと思ってた。」

エレンとコニーは驚いた顔をする。そんなにビックリしたかな、ずっと思ってたんだけど。

「幼馴染のエレンも知らないってどうゆうことだよ。」
「聞かれなかったら言ってないだけだよ。」
「なんで、調査兵団なんだよ。やめとけ。」
「どうして、そんなこと言うの。」

理由も聞かないで、そんなこと言うなんてエレンらしくない。エレンは調査兵団に行くくせに、どうして私はダメなんだろう。

「お前には死んでほしくない。」

顔を赤くしてそんなこと言うエレンに、ドキリと胸が高鳴った気がした。ああ、やっぱり私はエレンじゃなきゃダメなんだ。

「好き。」
「調査兵団が?」
「エレンが。」
「はっ!?」
「二回目!?」

エレンとコニーが驚いた声をあげる。ベルトルトよりコニーよりエレンが好きだった。エレンが傍にいないとダメだ。

「もう、わけわかんねぇ。」

そんな呟きは無視して、エレンに抱きついた。運命の相手はエレンだったんだよ。

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