あれから二人は順調にいき、結婚した。年の差なんて今となれば関係のないことである。 モモもリヴァイ以外には目もくれず、エレンの長い片思いは儚く散ったのだった。本部の近くに部屋を借り、甘い新婚生活も過ごし(そこまで甘くなかったが。)モモが大人になった頃、今も二人はその部屋で暮らしている。 「リヴァイさん、起きて下さいー。今日は会議でしょ?」 「………ああ。」 「とか言って起きないのは知ってます。」 布団を剥ぎ取ってもリヴァイは寝ようとする、モモはため息をついて一旦リビングに戻った。次に戻ってきたのはモモではない別の女の子。 「パパぁ!起きて!!」 まだ4歳の二人の娘である。寝ているリヴァイの腹の上に乗り、激しく暴れた。リヴァイは苦しいと言いながらも可愛い娘の姿に小さく笑みを浮かべる。 「やっと起きてきた。」 「ママー!ももたべたい!」 「用意してるよ」 「やったー!」 「モモに似たのか、異常な桃好きは。」 「パパもすきでしょ?」 可愛い娘に笑顔を向けられれば、勝手に首が動いて頷いていた。 「本当にパパが好きだね」 「うん!ママもすきだよ、あとナイトくんもすき。」 「……ナイト…?誰だそいつは」 「近所の男の子らしいですよ。」 「また好きになったのか……」 「うん!!」 性格もモモに似たらしく、コロコロと好きな男を変えている。リヴァイのように容姿端麗であるから、告白を何度もされているという。 「ナイトくんはいままでとはちがうよ!」 「毎回言ってるな……」 リヴァイは呆れる所か心配で仕方がなかった。 「パパみたいな人を見つけてね。」 モモは小さな娘の頭を撫でて、いつか自分のように本当に好きと思える人を見つけて欲しいと願った。 「パパがいい!」 「ダメ、リヴァイさんは私のです。」 娘と嫁から取り合われているリヴァイはといえば、心の中ではお祭り騒ぎだった。そんな家族に時間も迫り、リヴァイは本部へ会議に向かおうと玄関へ歩く。 「パパー!がんばってね!」 「ああ、ナイトとか言う男に気をつけろよ」 「ナイトくんはだいじょうぶ!」 少し心配だが、娘が気になるからと休むわけにはいかない。モモが午後から訓練があるからリヴァイが午後に帰ってくることになる。それまで何もなければいいが…とブツブツと呟いたリヴァイにモモは笑いかけ、頬にキスをした。 「いってらっしゃい」 「いってらっしゃい!!」 「ああ、いってくる」 緑のマントを翻し、馬に乗ってかけていくリヴァイをやっぱり彼が一番だと改めて思った親子は目を合わせて笑った。 そんな日常がこれからも続いていくのである。 終わり 2014/10/23 戻る |