モモが帰ってきた頃にはもう昼を少し過ぎていて、空腹に気づいたのは机に置かれたパンを見てからだった。
食堂には誰もいない。モモは水とスープを用意し、椅子へと座る。もそもそとパンを食べながらもリヴァイの事を考えていた。
帰ってきたらどんな顔をして会えばいいのか、気持ちを伝えたほうがいいのか、ぐるぐると悩む。

「買ってきたパンを許可も取らずに食うとは、お前も生意気になったな。モモ。」

その声にハッとしてモモはパンから目の前の人物に視線を向けた。先程帰ってきたばかりのリヴァイが目の前で睨んでいたのだった。

「内地で買ってきたパンですか、だからこんなに美味し……うわわっ、リヴァイ兵長!わっ!」

驚き過ぎて、椅子から転げ落ちたモモを呆れた目で見るリヴァイだが、どこか優しい表情をしている。そんな彼にもときめいて、モモの顔は少しずつ赤くなっていた。

「何してんだ」
「あ……パ、パン!勝手に食べてすみません!」

動揺が顔に出過ぎているモモにリヴァイは怪訝な顔をする。

「な、内地はどうでしたか!」
「おい。」
「晴れたみたいで良かったですね、あ!お土産なんてあったら嬉しいなぁ…あはは」
「なぜ目を合わさない。」

モモの目は泳いでリヴァイと絶対に合わせようとはしなかった。

「あの………熱っぽいみたいで、部屋に戻りますね!!それじゃっ!」

ダダッと走り去ったモモの背中を止めることなく、真顔で見つめるリヴァイ。とりあえず、モモの食べたパンのカスや使い終えた食器などを片付け始めた。

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