リヴァイとペトラが昼に帰ってくるという日の朝。モモはソワソワとしていた。

「落ち着け、モモ」
「オ、オルオさん……」

食堂を意味もなく歩き回っていたり、スープを零してしまったり、動揺が行動に出ているモモをオルオは呆れた目でみていたが、手元のスプーンで掬ったスープは床に垂れていた。

「オルオも気になるんだろう」

グンタの言葉に反論するオルオだが、顔が赤いため説得力がない。

「どうしてこんなにも落ち着かないんでしょう……」

「「「は?」」」

オルオ、グンタ、エルドが呆れたようにモモを見つめた。は?と言われる意味がわからないのか、首を傾げている。

「兵長の事が好きなんじゃないのか……?」
「いえ!好きじゃないってこの前わかったんです!」
「あ?兵長の事考えて眠れなかったから隈ができてんだろ?ペトラに嫉妬したんだろ?」

オルオの言葉に、胸のモヤモヤの原因がわかったモモだったが、自分がリヴァイが好きという実感がまだない。

「これが嫉妬……私はリヴァイ兵長が好きなんでしょうか…」
「頭の中リヴァイ兵長ばっかりなんだろ?」

そう言われれば昨日からずっとリヴァイの事が頭から離れていないとモモは気づいた。
恋だとわかった瞬間にカァーッと顔が熱くなって、モモは真っ赤だった。

「わ、私…初めてで……どうしたら……」

息が喉で詰まっているかのように苦しく、どんどん熱くなっていく体に動揺していた。

「どうするかなんてモモ次第だろ。」

エレンの言葉に恋というものの難しさがやっとわかった気がした。その分、エレンへの罪悪感も大きい。

「まぁ、お前が幸せになるならそれでいい。」
「エレン、何かっこつけてんだよ」
「わっ、やめて下さいよオルオさん!」

わいわいと騒ぎ始めた周りとは打って変わり、モモは考え事をしていた。

兵長が私のことを好きと言った。それで、私は兵長の事が好き……つまり……両想いということになる。

それがわかった瞬間にモモは居ても立っても居られずに、席を立ち歩き回る。

「ちょっと馬と散歩してきます!!」
「朝から!?」

飛び出していったモモを唖然と見つめるエレンは恋に気づいた彼女に少し残念と思いながらも、その恋を応援していた。

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