「ゴムゴムの“蛇銃”」

スネークショット!!と彼の声が聞こえて目を開けるとそこにホーディはいなかった。私はまた助けられた。

「ルフィ様!フカボシお兄様〜〜っ!!!」

死んでない。それが嬉しくて安心して涙が出そうになった。いつもこの赤い背中をみている気がする。ルフィは私の尾ひれの傷をみたあと、辛そうな顔をして頭を撫でてくれた。その行為に、もう私は限界がきたみたいで涙が一滴瞳から溢れ出した。海と混じってよくわからなくなる。

「ルフィッ………」
「無事でよかった。」

その言葉が私の心に染み渡った。本音を言うとものすごく怖かったすぐにでも逃げ出したかった。でも、逃げなくてよかったと思う。またこうして私のヒーローは助けてくれた。

「ここは深海だぞ下等種族!お前に勝ち目はねェ!!しらほしも!魚人島もてめェの仲間達も!お前ごときにゃ何も守れねェんだよ!!」

「いいや…全部守る!!その為の“二年”だったんだ!!」

そのルフィの表情に私は落ちてしまった。いや、その前から落ちていたのかもしれない。でもこの時確信した。私はルフィが好きだ。


デッケンも息絶え、ノアが魚人島へと落ちる。ホーディとルフィが戦っているのを私としらほしは固唾を飲んで見守った。どうか、ルフィが生きてみんな無事でありますようにと願いながら。

「しらほし………」
「お姉さま?…………あっ、ルフィ様お傷が!」

しらほしの指を強く握る。不安で不安で仕方が無い。ルフィが強いのは知っているし信じているけれど、こんなに血を流して大丈夫なのか。

「ルフィっ………」

ホーディを倒したルフィはまだノアを殴り続ける。壊す気だ、この大きな船を。どうか、お願い。魚人島をゼロに戻してルフィ。

「お姉様、ルフィ様をお止めにならないといけません!」
「でも、魚人島にノアが!」
「もう!止まりました!」
「え?」

ノアの鎖を加えて魚人島への落下を防ぐ海王類たちの姿がみえた。そうか、しらほしが呼んだよかと理解していたころには体が動いていた。ルフィの前に立ち塞がって、叫ぶ。もう終わったのだ、と。

「ルフィ、ありがとう。」

ルフィをぎゅうっと抱きしめる。心臓の音が聞こえようが、赤い顔がバレようが、ルフィが無事なら別にどうでもいい。大量に血を流したルフィを抱えて急いで魚人島へと戻る。

なんの力も持っていない私だけど、これくらいのことはできる。ルフィの命を繋ぎとめてみせる。なにがあっても。




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