ルフィの仲間に会ったり、ヤンデレストーカーの、バンダー・デッケンを撃退したりと色んな出来事が起こって、やっと海の森にたどり着いた。そこは毎日変わらない景色で、壊れた船などが流れてきていた。

「こいつ、えみ。新しい仲間だ。」

えっ、言葉に詰まった私はルフィに麦わら帽子を投げつけた。仲間になるなんて一言も言ってないし、麦わらの一味も急にそんなこと言われてびっくりするに決まって、「えー、残念。可愛い子ね。」え?「僕は君のナイトになりたい。」え?

「歓迎されてるな!えみ!」

麦わら帽子を被り直したルフィはニカッと笑って私をみる。これは、歓迎されているのだろうか。

「ルフィって決めたらなんでもやり通さないと気が済まないのよ。」

オレンジ色の髪の綺麗な女性、確かナミさんと言ったかな、ナミさんは笑いかけてくれた。ルフィの無鉄砲さはわかっていたつもりだったけど、まさかこんなに、人のことを考えないなんて思わなかった。

「これも何かの縁なのよ。私もその一人。」

ナミさんも強引に連れて来られたということになるのか。麦わらの一味は船長で成り立ってるんじゃなくて、船長を支える仲間たちによって成り立ってるんだ。なんだか、いいな。

「えみが仲間になってくれると嬉しいわ。」

綺麗な笑顔だな、と心から思った。こんなに美人な人がいて、ルフィは恋に興味がないなんて、少し可哀想だ。

「ナミもこう言ってるし、仲間になれよ!えみ。」
「だから、考えさせて。しらほし!お墓、行こう。」
「はい!お姉様!」

しらほしの大きな指に捕まり、母のお墓に移動する。いつのまにかハマグリは無くなっていた。手を合わせ、静かに目を閉じる。しらほしの泣き声を聞きながら、私も静かに泣いていた。






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