「誰かっ……ルフィを助けて下さい!!血が全然止まりません!!」 「わたくし達の為に無茶をなさって!!」 ルフィに抱きついたままの私を手のひらの上に乗せたしらほしは大泣きしながら麦わらの一味の元へ泳いだ。ルフィの赤い血が私を真っ赤にさせた。 「大変だ!ロビン、おれのリュックに止血剤が入ってる!」 「今後の戦闘不安だなオイ船医!」 「移動は任せて」 「もーちょい左左」 「おかしな船医現れたぞ!!」 こんなことやってていいのか、と心配になる。でもチョッパーくんは的確に止血剤を打った。 「血が足りねェぞ!誰か血液型F型いねェか!?」 「ウチにはルフィ以外F型はいねェからな」 「広場に誰かいるだろ!」 私がF型だったらルフィのためにいくらでも血を渡したのに。生憎私はF型ではない。 「あ…!!そうだこの国!法律で人間に血ィやったらいけねェんだった!」 「えー!?何その法律ひどいじゃない!!」 ズキズキと心が痛んでいるのはきっと私だけではない。みんな、英雄に感謝しているからこそどうすればいいのかわからないんだ。 「法律なんて関係ありません!!私が保証します!!どうか、ルフィに血を分けて下さい!!」 深々と頭を下げる。だからお願い、ルフィに血を分けて。 「えみ姫様…!」 「…………あっ!」 「……!!え…」 顔を上げるとそこにはジンベエさんがいた。 「わしの血を使え!Fじゃ!いくらでもやるわい!」 よかった。安心感から脱力してその場に座り込んだ。 傷つけても……傷つけられても流れる赤い血。とても道とは言えぬ程…か細く狭いその管こそーーーーー恐れ合う偏見を……血で血を洗う戦いをかくもた易くすり抜けて絵空に描く幻想よりも確かに見える『タイヨウ』へと続く道 「ジンベエ………」 「ルフィ!!気がついて………!!」 ルフィがゆっくりと話出したのをみて、みんなが安心したように笑う。 「何じゃい……意識あったか…」 「なァ、ジンベエ……おれの仲間になれよ!!!」 いいなぁ、と思ってしまった私はルフィの仲間になりたいのか。きっとそうだと思う。だけど私はこの島の姫であって、島を守らないといけなくて。頭がごちゃごちゃして痛くなってきた。 「なァ、えみ。じっくり考えろよ。それでお前のしたいようにしろ。」 ルフィに手をぎゅっと握られて、胸が熱くなった。ねぇ、ルフィ。私はどうすればいい?私にも私の気持ちがわからないんだよ。 戻る |