目を開けるとそこにはルフィ様とベルナ様がいた。ああ、やめて。ルフィ様をとらないで。そんなことを考えてしまった私は故障しているだろう。こんな人間みたいなこと、考えるわけない。
「レミ!!大丈夫か!?」
「レミちゃん!」
『異常ありません。』
ルフィ様の安心した顔は、毎日見ている気がしてならない。不安そうな顔も毎日みている。
「また修行しただろ!やめろよ!」
「待ってよ、ルフィ。レミちゃんはなんのために生まれてきたと思う?修行するためでしょ?目的を失ったら、レミちゃんはどうするの?」
正論だ。私が今まで、ルフィ様が傷つかないように言わなかった言葉を、簡単に言ってのけたベルナ様。
「は?なに言ってんだよ。おれが目的くらい作ってやるよ。」
答えは、あっさりだった。よく考えればルフィ様はこんなことを言われただけで傷つくような人じゃない。心の広い人だ、なのに私はどうして今まで言えなかったんだろう。
「おれとずっと一緒にいる。それが目的でいいじゃねェか。」
「………レミちゃんは、ロボット!いつかルフィは死ぬのよ!?ずっと一緒になんて無理よ!」
「ロボットじゃねェって!」
『ロボットです。』
言い争っていた二人が同時に私をみる。ルフィ様は怒りに満ちていて、ベルナ様は、呆れた様子。
今日初めて思ったかもしれない。人間になりたいと。ルフィ様に恋というものをして、ベルナ様に嫉妬して。今日の私はどうかしてる。はやくウソップ様とフランキー様になおしてもらおう。
『私は、ロボットです。』
自分に言い聞かせるように呟いて、私はウソップ様とフランキー様のもとへ向かった。
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