「新しく仲間になりました!」

そう言って仲間に加わったのは新しい主人のベルナ様。サバサバした方で、黒髪の黒い瞳。ルフィ様が連れてきたのではなく、ベルナ様から志願してきた。

『ベルナ様をインプットしました』
「ロボット!?」
「レミだ!」

隣にいる得意気なルフィ様を見上げる。太陽のような笑顔はベルナ様に向けられた。

「レミちゃんか、よろしくね!」
「こいつは修行用だ。」
「おいゾロ!レミは修行用じゃねェ!」
「「いや、修行用だ」」

ウソップ様とフランキー様に怒られたルフィ様は私の手を握って拗ねている。これを振り解くこともしないし、握り返すこともしない。命令があれば、するけど。

「この一味おもしろい!!!」
「おいベルナ!釣りしようぜ!」
「うん!やろう!」
「ちょっとベルナ!あんた女でしょ?」
「ナミちゃんに怒られたー!」

ベルナ様の笑顔も太陽のように眩しいけど。なにかが違う気がした。少し怪しいな。

「おい、レミ。修行だ。」

耳元でゾロ様の声がして、小さく頷いた。ルフィ様に止められるから、コソッと言ってくるのももう何十回目だ。



「レミはあいつのことどう思う。」
『ベルナ様のことですか』

コクリと頷きながら剣をふるうゾロ様の目は仲間を守るための目だ。剣を軽くかわして攻撃をしかける。

『少しだけ、警戒しています』
「へー。気が合うな。レミもそう、か!」

カキンッという音をたててぶつかる私の剣とゾロ様の剣。ゾロ様はすごく仲間思いで、新しく来た人を仲間のたまに疑う。悪役をかってでも。

『大丈夫ですよ。私が警戒します』
「そりゃあ頼もしい、な!!」

私の腹部を貫いた剣は静かに抜かれた。そしてゾロ様のルフィ様を呼ぶ声が聞こえたかと思うと意識を失った。



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