「なーんだ。ロボットか。」

目の前で倒れるレミは、バチバチッと音をたてる。敵襲にあい、おれの作ったロボット、レミがやられた。ロボットだから修理可能だが、やられたことに対して怒ってるやつが1人。それはうちの船長だ。

「お前。許さねェ。」

それからは一瞬だった。ルフィが大勢の敵を倒し、レミを抱きかかえておれに修理を頼んでくる。

「ウ、ウソップ!!レミがっ!!」

おいおい、少し前の殺気はどうした。とツッコミたくなったが、レミが先だ。フランキーとともに、レミの修理に取りかかる。傍にいるルフィはソワソワとこちらの様子を伺っていた。さっきの覇気はどうしたよ、とまたツッコミたくなるのを必死に堪える。

「よし。完成だ。」
「スーパー!!!!」

地面に置かれたレミは、本当に美人で。生きてる女が眠ってるみてェだ。簡単に言うと、人間みてェだってことだな。

『起動します。前回の反因を分析し、戦闘力をあげておきます。』

立ち上がったレミに、ルフィは思いっきり抱きついた。というより体当たりだ。だけどレミは軽々と受け止めた。そりゃ、ロボットだからな。

「レミ………よかった。………心配、させんな。」
『申し訳ございません。………ルフィ様の鼓動の速さが一定値を越えています。チョッパー様をお呼びしますか。』

レミの言葉を聞いて離れると思ったが、ルフィはまだしがみついたまま。

「もうおれから離れんなよ。おれの隣にいろ。勝手にどっか行くなよ。」
『ルフィ様、圧力が強すぎて押しつぶされてしまいます。』

どんだけ強く抱きしめてんだよ、と言いたくなったがやめる。おれ達はルフィのことを影から見守るって決めたんだ。あ、おれ達じゃねぇ。おれは。

『ルフィ様、私はあなたの傍から離れません。』

あながこの船の船長でいる限り、レミはきっとこの言葉を押し殺している。言ってしまえばまたルフィが傷つくからな。

「レミ………」

ルフィの、レミを呼ぶ悲しい声がおれの心の中に響いた。はぁ。なんでロボットなんか作っちまったんだ。今更後悔してももう遅い。



back
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -