レミは電気でできている。でも、メシは食べてる。今もおれの隣で。
「レミ!うまいだろっ!?」
『味はわかりません』
「わりィなルフィ。味覚機能つけてねェんだよ。」
味覚機能とか笑顔機能とか。ロボットって思い知らされるからイヤだ。レミはロボットだけど、ロボットじゃねェんだよ。
「サンジ!!!!!おかわり!!!!」
「そんな大声出さんでも聞こえてる!クソゴム!!!」
サンジに蹴られながらも、おれは肉を食べる。今は食いたい気分なんだ、おれは。なにも考えたくねェんだ。
『ルフィ様。食べカスが飛んできています』
「お、わりィ。」
『ついていますよ』
人間としか思えねェ柔らかい手で、レミはおれの頬に触れた。その手にはソースが着いていた。
ペロッ
また人間としか思えねェ舌でソースを舐めた。カァッと顔が熱くなっていく気がする。
「レミっ、レミっ、」
『これが一番食べ物を無駄にしない方法です』
そんなこと言われてもおれは嬉しくて、恥ずかしくて。レミが好きだって改めて思う。
『ルフィ様、ゆっくり食べて下さい』
おれは顔が熱いまま大きく頷いて、肉にかぶりついた。ゆっくりって言われても、うまいから無理だ。
「レミ、今日は点検の日だ。」
『それは明日では?』
「いいから。今日だ!」
『はい』
点検ってことは、今日1日レミとは遊べねェし、話すこともできねェってことになる。あーあ。退屈だ。
「ルフィ、あんたは蜜柑の収穫手伝って。」
「えー。」
「お礼に蜜柑あげるわよ。」
「やる!!」
ナミに利用された気もするけど、蜜柑がうめェからいいや。それに、一日中レミのことで頭がいっぱいになるから、気晴らしにはもってこいだ!
『ルフィ様、また食べカスが飛んできています。』
「あ、わりィ!」
真顔でおれをみるレミがいつか笑ってくれることを信じて、おれはレミに笑顔を向けるんだ。
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