もうやめろよ。
そう言っても目の前の戦いは終わらない。おれがどれだけイヤだと言っても、そいつを壊さない限り終わらない。
「ゾロ!レミ!やめろ!!」
「んだよ、ルフィ!こいつはロボットだ!」
ゾロの剣先はレミのお腹を突き刺した。血はでない、そのかわりにジジっと音がしてレミはその場に倒れた。
「次は難易度あげるか。フランキー!ウソップ!直してくれ!」
「おいおい、壊すのはえよ!ゾロ!」
おれはゾロの目の前で横たわるレミを抱きかかえる。おれがどれだけ好きと伝えても、レミはただ『理解不能』って言うだけだ。
この前、ゾロが修行用としてフランキーとウソップに作ってもらったロボットをおれは好きになった。
「ルフィ、諦めろ。おれ達はロボットは作れても、心を作ることはできねェ。」
ウソップにそう言われても、おれは納得いかなかった。いつかレミの笑顔がみたいんだ。
「笑顔機能つけてやろうか?」
「いや、いい。」
そういうんじゃねェんだよ。そう言っておれが抱きかかえてたレミをウソップたちに渡した。
+
ルフィの後ろ姿をみて、おれは罪悪感におそわれる。
ロボットを美人に作りすぎた。のか、ただルフィのタイプだからか。わからねェけど、ルフィが誰かを好きになるなんて考えてもいなかった。
レミは、 白を多めに、少しの青を混ぜたような、薄い水色の二つぐくりの髪。白い肌に青い瞳。白と黒のチェックのワンピースに、真っ黒なニーハイソックス、真っ白のヒール。服や靴はすべてナミのもの。という容姿をもち、一言で言うと美人だ。
「こいつに心を持たせてやりてぇけどな。」
「じゃあ修行用にならねェだろ。ゾロのやつがキレるぞ。」
2人でレミを直すのは何回目だ。その度におれたちは心を痛めていた。フランキーは小さく口をひらく。
「おれ達は、ただ黙って直すだけだ。」
『起動します』
レミの棒読みなその声をおれ達は何回聞いただろう。
back