感情、というのは人間がもつもので、少し憧れた機能だ。私がなにをしても手に入らないもの。そう思っていた。だけど、ウソップ様は言う、レミにも感情は生まれる、と。その言葉で私の心が生まれたわけではない。だけど、希望を与えてくれた。

『私は、どうすればいいですか。』
「なにもしなくていいんじゃねェか?」

そう言われても困る、だけど頷いた。いつも通りすごせばいい。感情が生まれたら受け入れればいい。

「それより、いつものルフィはどうした?」
『わかりません。』

いつも朝起きれば抱きつかれていて、ずっと離れないはずなのに、今日は姿さえ見ていない。

「レミ、ルフィ探してこいよ。」
『命令ですか?』
「いや。レミがルフィに会いたいなら探してこい!」

また、困ったことを言うご主人様だ。ウソップ様はニヤリと笑ってまたなにかを作り始めた。どうしたものか。

『することもないので探してきます。』
「おう、頑張れよ!」

何に対しての頑張れよ、かはわからなかったが、少し胸の奥が暖かくなった。

とりあえず、キッチンに行ってみた。確実にいると信じていたけれど、そこにはサンジ様とナミ様とロビン様しかいなかった。

「あら、レミどうしたの?」
『ルフィ様がどこに行ったのか知っていますか?』
「みてないわね、もうすぐ朝ご飯だしすぐ来るわよ。」
『ありがとうございます、探してきます。』
「レミちゃん、見つけたら飯だ、って伝えてくれ。」
『わかりました。』

そう返事をして、キッチンから出る。他にルフィ様がいる場所は……。あれ、私はルフィ様のことをなにも知らない。どこにいるのかさえわからない。ルフィ様はいつも見つけてくれるのに。そう思うと、また胸が痛くなった。これが感情なのか、なんなのかまだ私にはわからない。



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