「恐らく、感情が芽生え始めてるな。」
「フランキーもそう思うか。」
眠ったレミの目の前で修理をしながら話すウソップとフランキーの表情は真剣そのものだ。
「感情を生み出そうとする力と、ロボットの使命をまっとうしようとする力が争って、痛みが生じるんだな。」
そう呟いたのはフランキーでもウソップでもない、ちょうど飲み物を持ってきたサンジだった。
「なるほど、そういうことか。」
「わかってなかったのかよ!」
作った本人にも関わらず、わかっていなかった二人に激しくツッコミをいれたサンジは、煙草をふかした。
「しかもその感情はルフィへの恋心だ。」
「サ、サンジなんでわかるんだよ。」
「恋はいつでもハリケーン。」
ウソップの質問には答えず、そんなことを言ってのけたサンジは、飲み終えたコップをもって、立ち去っていった。
「どうするか。」
「厄介なものを作っちまったな。」
感情の力とロボットの力が、もし暴走してしまえば、レミは爆発してしまうことを二人は知っていた。そこまではいかないとしても、今までの記憶がなくなったり、と支障が出る可能性がある。
「とりあえず、まだこれから先も痛むことがある。備えは必要だな。」
「ああ、そうだな。」
頷きあう二人と、出て行ったサンジは知らなかった。この三人の会話をベルナが聞いていたことを。
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