ベルナ様の体温がみるみるうちに下がっていく。こんな吹雪の中で1時間24分53秒になる。ロボットの私には関係のないことだけど、人間は弱い。

「っ、はぁ……はぁはぁ……」

これはベルナ様を抱えてサニー号へと帰るべきだろうか。それともベルナ様の命令を最期まで聞くべきだろうか。

『帰りましょう。サニー号へ。』
「はぁっ、だめ。絶対、それだけはだめ。」

人間の平均的な体温は36〜37度。これは麦わらの一味の平均値である。ところが、ベルナ様の体温は34度だ。

『ベルナ様の命が優先です。』

ベルナ様を支え、サニー号へと向かう。もうほとんど意識がない彼女を少しでも暖めようと、電気を発電させておく。

「はぁっ、レミ……ごめん、ね。」

小さな小さなその声は、私の高性能な耳へと届いた。なぜだかわからないけれど、胸がの部分が痛い。故障かもしれないから、後でウソップ様かフランキー様に見てもらう。そう決心して、また歩き出した。






「ベルナ!!レミ!!」

サニー号に戻ると、慌てたようにチョッパー様が駆け寄ってきた。

『ベルナ様の体温が低下しています。』
「よし、わかった!ありがとう!」

チョッパー様は能力で、大きくなり急いでベルナ様を医務室へ運んで行った。

「ベルナ!?レミ!」

そこでダイニングから出てきたルフィ様がベルナ様へと駆け寄った。やはり、ルフィ様はベルナ様を選びましたよ、と心の中で呟き、私はその場にしゃがみ込む。充電をしなければならない。

「レミ、ありがとな。」

どうしてルフィ様にお礼を言われるのかわからないが、抱きしめられた私の体は不思議と暖かい。そしてまた、胸が痛くなり、私の意識は強制終了された。



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