アラバスタに上陸して、砂漠の道を歩く。毛で暑いのか、チョッパーくんはダウンしてゾロさんに引きずられていた。



03:この世には、嘘しか
   存在してなくて


「はぁはぁ………、はぁ」

息があがる。フミのくまちゃんを持つ手にもだんだん力が入らなくなっていた。どこを見回しても砂があるだけで、いつ着くのかも忘れてしまった。

「はぁはぁっ……」
「フミ?大丈夫か?」
「だ、いじょうぶ…はぁっ」
「大丈夫じゃねェだろ。」

ルフィはフミの頭に麦わら帽子をかぶせて、背中を優しく撫でる。フミの顔色は悪く、暑いはずなのに青い。

「チョッパー!!!フミが!」

ルフィが後ろを振り返り、板の上で寝ていたチョッパーを呼んだ。

「フミ!!!!!」

チョッパーは暑さなんて忘れて、フミのもとにかけつけた。

「ルフィ!水をフミに飲ませてやってくれ。」

フミを横にして、頭はルフィの膝の上へと乗せる。水を少しずつ飲ませ、チョッパーは目を診たり、聴診器を当てたりする。

「フミ、どこが痛いとかあるか?」
「頭が………痛いの……」
「そうか、薬もってきてよかった。」

白い錠剤をリュックから取り出すと、フミの口に入れ、水を飲ませた。ルフィやクルーたちはじっとなにも言わずにそれをみる。

「おれ、フミをおぶってくよ。」
「チョッパー、おれがやる。」

ルフィがフミを起こすと、チョッパーが背に乗せる。ルフィは少し後ろを振り返り、息をあげるフミをみつめる。

「はやく、涼しい場所探すからな。フミ。」

ルフィが歩いていくので、みんなも黙ってついていった。真剣な表情のチョッパーに誰も気がつかなかった。


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