※天国でエースと再会 (輅さまリクエストありがとうございました。) ※天国は私のイメージした場所なので、本物と異なる場合があります。 ※そして今後のルフィを傍観していきます。 ※不定期に続きます。原作は飛ばし飛ばしなので、漫画やアニメを見なければわかりません。ご了承下さい。 名前を呼ばれた気がして目を開ける。ルフィが私に会いたくて起こしに来たのかな……と考えてから気が付いたそういえば死んだのだと。じゃあここはどこだ。私は今どこかにア仰向けに寝転んでいて、見たことない景色をみている。目の前には大きな瞳……。 「わっ!!」 悲鳴を上げると目の前の人物は可笑しそうに笑った。ああ、すごく泣きそうだ。まさかまたこの笑顔を見ることができるなんて…。 「エース!?どうしてここにいるの!?」 「見てみろ」 エースは自分の頭を指差す。そこに目線を向けると漫画で見たような黄色の輪っかが浮いていた。ということはここは天国?でもそんな……本当にあるなんて。 「フミにもついてる」 「エース……会えてよかった!!」 今ここが天国だとか、海賊は地獄に行かないかだとかそんなのはどうでもいい話だ。ただ目の前にエースがいるだけで嬉しかった。さよならも言えなかったエースが、今ここにいる。 「抱きつくな!」 「だって………エース死んだんだもん!」 「フミも死んだろ?」 「私より先に死ぬんだもん!」 悪かった、って笑いながら言うからきっと思ってない。頭を優しく撫でられ、エースの香りに包まれる。 「天国って本当にあるんだね」 「想像通りだな、花畑とか」 周りを見渡せば、何千種類もの色鮮やかな花が咲き乱れ妖精のような生き物が飛び交っている。空は色んな色をしていて、青一色じゃない。 エースは私の手を取り、どこかに向かって歩き出した。人は私たちだけなんだろうか、と思っているとすぐに街らしき所についた。頭に黄色の輪っかをつけた人たちが行き交っている。 「もう少し行った先に現世の事が見れる泉があって、お前のこともルフィのことも見てた」 「そうだったの!?」 見られてたと言われれば、何とも恥ずかしい気持ちになる。エースの顔を見れずにいると、また手を引かれた。その泉に行くらしい。 少し歩くと大きな泉が見えた。沢山の人が中を覗き込んでいる。その人の見たい現世が見えるらしく、何とも便利な泉だ。 「ルフィ……元気かな?」 「ちゃんとぬいぐるみは届いてたぞ」 カメさんに預けたぬいぐるみはきちんと届いたらしい。本当によかったと安堵する。 「見ろ、ルフィだ」 「次の島は雪が降ってるね」 エースと泉の中を覗き込むと、ルフィの顔が間近に映し出された。コートを着るルフィもかっこいいと言えばエースに苦笑いされたけど。 「あーおれがいたら全部燃やせるのに」 「でも、もう能力は使えないんでしょ?」 「もし生きてたら、だ」 もし生きてたら……なんて考えるだけで虚しくなるがエースは違うらしい。想像してワクワクして毎日を楽しんでいるんだとか。 「ねぇ、エース」 「ん?」 「ルフィは海賊王になれると思う?」 「親父と言いてェが、親父も死んだからなァ。それにおれは心のどこかでいつもルフィのやつを応援してた」 「やっぱり離れていても兄弟なんだね。」 「当たり前だ。」 兄弟といえば、サボはここにいるのだろうか。幼くして亡くなった彼は子供の姿のままなのだろうか。 「サボは?会えた?」 「いや、探したけどいねェ。」 「え……」 「生まれ変わったのか、それともまだ生きてるかだ」 天国に来た者達は好きなタイミングで生まれ変わることが出来るらしい。前世の記憶を捨て、新たな人生をスタートさせる。誰かを待ったり、見届けたい者はこの泉に集まるという。 サボは生まれ変わったのか、生きているのか。生きていてほしいが、希望は少ないのが現実だ。 「ルフィと結婚したこと言えてないのに……」 「そうだな………って結婚!?」 「あれ?言ってなかった?」 「聞いてねェよ!結婚したのか!?」 「そう、だから私たち兄弟だよ」 エースは複雑そうな顔をした。私と兄弟になるのが嫌だったのか、どうしてこんな顔をするんだろう。疑問を口にしてみるとエースは慌てて笑った。その仕草はどうも怪しい。 「エース、反対なら言って」 「お前らは幸せになってほしいって思ってたから、別に反対じゃねェ」 「なら、どうして……」 「いや……あのな……その…」 目を泳がせ、中々口を割らないエースは珍しい。いつもはハッキリと物をいうのに。 「あっ……ルフィが倒れた!!」 「ええ!?」 泉の中を見ると、ルフィが本当に倒れていた。シュロロロという笑い声が聞こえ、私達は泉の映像に見入っていた。何を話していたかなんて忘れ、ただルフィが無事なことだけを祈るしかなかった。 2014/11/21 好きと言えないエース 戻る |